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日本が核武装するのは難しくはないが…

小説「日本核武装」の著者、高嶋哲夫氏に聞く

2016年10月17日(月)

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トランプ候補は日本防衛に対する米国の関与を減らす代わりに、日本の核武装容認を示唆する発言をしている。実際に日本が核武装することは可能なのか。9月に近未来小説「日本核武装」を刊行するなど、核に詳しい作家の高嶋哲夫氏に話を聞いた。

日経ビジネスオンラインは「もしトランプが大統領になったら…」を特集しています。
本記事以外の特集記事もぜひお読みください。

作品では、精密加工など様々な技術に秀でた全国の中小企業を総動員し、核爆弾の容器をスムーズに仕上げた印象があります。日本の核武装は比較的容易に達成可能なのでしょうか。

高嶋:純粋に技術やモノづくりの視点で言えば難しくはないでしょう。核爆弾製造を考える場合、核技術と核物質と防衛産業がカギになります。まず核技術については、米国の公文書館などで公開されている情報を得られれば一応問題ないとされています。北朝鮮はロケット技術と核技術の開発に熱心です。日本の技術水準は北朝鮮よりもはるかに高いですから、その気になればスムーズに核爆弾を開発できるでしょう。

1949年岡山県生まれ。慶応義塾大学大学院修士課程修了、日本原子力研究所研究員を経て、米カリフォルニア大学に留学。79年には日本原子力学会技術賞受賞。主な著書に「メルトダウン」「ミッドナイトイーグル」「首都崩壊」「富士山噴火」など(写真:大槻純一)

 核爆弾の扱いについては、少しの核物質でどれだけ大きな爆発を起こせるかという意味での効率が重要です。核物質をうまく臨界に到達させるための爆弾構造など様々な最新技術が必要となりますが、基盤は国内に十分整っています。

 核物質については、日本には(原子力発電に由来する)一定量のプルトニウムなどがあります。兵器に使用するプルトニウムと原子炉用のプルトニウムは質が全然違いますが、厳密に爆発の規模などを考えないならば(原子炉用のプルトニウムでも)それなりに使い物になるでしょう。

 生産に携わる防衛産業も全く問題ありません。大手はもちろん、モノづくりを支える優れた中小企業が多く存在しています。設計図さえしっかりしていればよい。

最新作の「日本核武装」は9月発刊。作品の序盤では、一部の政府関係者らによって極秘に進行していた日本の核武装計画が、偶発的な交通事故を契機に政府内部で発覚。国際世論の反発などを恐れた日本政府は秘密裏に核武装計画の全容解明に乗り出す。一方、沖縄県・尖閣諸島を巡る中国との対立は、中国が核兵器で日本を威嚇する事態に発展。米国は中国との対立を懸念して日本支援に終始消極姿勢を崩さない。日本ではタブー視されがちな核をテーマに、緊迫する国内外の情勢を描いた。

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「日本が核武装するのは難しくはないが…」の著者

寺井 伸太郎

寺井 伸太郎(てらい・しんたろう)

日経ビジネス記者

2002年、慶応義塾大学を卒業し、日本経済新聞社に入社。東京や名古屋での企業担当などを経て、直近は決算を取材する証券部。15年から現職

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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