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ユニクロ柳井氏「米国の終わりが始まる」

移民締め出しなど排外主義で世界の経済や企業に多大な悪影響

2016年10月19日(水)

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 ファーストリテイリングが展開する「ユニクロ」の海外店舗数は8月末時点で958店と、日本国内の837店を上回る。柳井正会長兼社長はトランプ候補が仮に大統領になった場合、「世界経済がめちゃくちゃになる」と強い懸念を示した。国境に壁を作るという公約を掲げるトランプは、移民によって発展してきた米国の建国の精神を否定する人物であり、「米国一国主義」によって、ファーストリテイリングも含めてグローバル展開する世界の企業に大きな影響を及ぼすと警戒する。一方、過去10年間、苦戦しながらも、約50店まで増やしてきたユニクロの米国事業について、「大変ですが(今後も)絶対に、やる」と、語気を強めた。「やる気のある人を応援する国であってほしい」とも述べ、これまで通り海外の企業や人材を受け入れるべきだと強調した。(聞き手は鈴木哲也)

日経ビジネスオンラインは「もしトランプが大統領になったら…」を特集しています。
本記事以外の特集記事もぜひお読みください。

柳井 正(やない・ただし) 1971年早稲田大学政治経済学部を卒業し、ジャスコ(現・イオン)に入社。72年、実家の小郡商事(現・ファーストリテイリング)に転じ、84年から社長。会長就任などを経て、2005年から現職。同年、ニュージャージー州の郊外型モールに、ユニクロの米国1号店を開業したが撤退。翌2006年にニューヨーク・ソーホー地区の目抜き通りに大型店を開業し、再進出した。山口県出身、67歳。(写真=竹井 俊晴)

これまで度重なる暴言にもかかわらず、トランプ候補は生き残ってきました。当落は最後まで予断を許さないでしょう。仮にトランプ氏が大統領になったら、どんなことが起きるでしょうか。

柳井:大統領にもっともふさわしくない人が、大統領になるということですね。自由と平等という、米国の憲法の精神、建国の精神に反しているのではないですか。彼が言っているのは、レイシズムに近い話です。米国は、英国から清教徒が来て作ったわけで、成り立ちから言っても移民の国です。移民の国が移民を否定するのはあり得ないことです。

 アメリカ・ファースト(米国第一)と言っていますが、彼はミー・ファースト(自分第一)ですよ。完全に自己宣伝の人です。一番、政治家に向いていない人で、大統領になるようなタイプの人じゃない。米国の問題にとどまらず、世界の問題になります。

トランプ氏は、メキシコとの国境に壁を作るという、公約を取り下げていません。普通のイスラム教徒などの入国も制限しようとしてきました。米国を含めて、世界各地で店舗展開している、ファーストリテイリングのビジネスにも影響がありそうですか。

柳井:世界中の優秀な人を探して、世界中で活躍してもらうことを目指している我々のビジネスにとって、悪影響しかないでしょう。米国の今の発展を支えているのは、世界各地からシリコンバレーへ移民してきた人たちだし、古くはニューヨークだって、欧州からの移民で発展してきたのです。そういう歴史を持つ国が、悪い意味の一国主義になる可能性があります。昔の「モンロー主義」の不健全な部分、つまり排他主義につながります。トランプ氏のような政策を、もしも実行すれば、世界経済がめちゃくちゃになると思う。

 当社のような企業も、グローバル展開ができなくなるかもしれない。これまで米国という国、そして米国にやって来る人材が新しい産業のインキュベーターになってきましたが、そういうものも機能しなくなる可能性があります。米国が劣化したことの象徴がトランプ氏と言えると思います。

トランプ氏の保護主義は互恵的でない

トランプ氏は、メキシコなど海外の工場から安い製品が流入しているから、米国の雇用が奪われたなどと、激しく主張してきました。共和党が伝統的に提唱してきた、自由貿易の原則は捨て去っているようです。中国や日本に対しても米国の雇用を奪う存在として、敵視する発言が目立ちます。

柳井:米国ほど自由貿易の恩恵を受けているところはないですよ。世界中の一番安いところで、一番いいものを作って、輸入できる環境にあります。しかも一方では、米国の会社自身が、世界中に出て行って、例えばソフトウエアなどを売って稼いでいるわけです。米国の会社が外に出て行ってビジネスをするのは自由なのに、米国以外の会社に対して、保護主義を主張する政策はあり得ないことです。互恵関係ではないですよ。

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「ユニクロ柳井氏「米国の終わりが始まる」」の著者

鈴木 哲也

鈴木 哲也(すずき・てつや)

日経ビジネス副編集長

日本経済新聞社で小売業、外食のほかビール、化粧品、衣料など消費財関連を幅広く取材してきた。03~07年はニューヨークに駐在。企業報道部デスクなどを経て、15年10月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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