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「移民排斥」はシリコンバレーを潰す

WiL共同創業者兼CEOの伊佐山元氏に聞く

2016年10月25日(火)

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 ドナルド・トランプ氏の“目玉政策”とも言える移民政策。大統領選が始まった当初から、「メキシコからの不法移民を防ぐため国境に壁を作る」「イスラム教徒の入国を禁ずる」と発言、移民排斥に向けて強硬な姿勢をとり続けている。

 こうした強硬な移民排斥の動きが仮に実現した場合、イノベーションの聖地である米シリコンバレーにも影響が及ぶ。シリコンバレーには起業家として成功している移民が多く、今やシリコンバレー経済圏に移民は欠かせないからだ。

 2013年にシリコンバレーでベンチャー支援組織、WiL(ウィル)を設立し、自身も15年間シリコンバレーに身を置く伊佐山元CEO(最高経営責任者)に話を聞いた。(聞き手は齊藤美保)

日経ビジネスオンラインは「もしトランプが大統領になったら…」を特集しています。
本記事以外の特集記事もぜひお読みください。

ある大学機関の調査によると、過去20年間、シリコンバレーで起業したベンチャーの創業メンバーは、半数以上が移民だそうです。シリコンバレーで活動する伊佐山さんから見ても、移民のベンチャー起業家は多いでしょうか。

1973年東京生まれ、1997年東京大学法学部卒業後、日本興業銀行(現みずほフィナンシャルグループ)入行。2001年スタンフォード大学ビジネススクールに留学。2003年米大手ベンチャーキャピタルのDCM本社パートナーとして、インターネットメディア、モバイル、コンスーマーサービス分野への投資を担当。2013年にWiLを設立。シリコンバレーと日本を中心に、ベンチャー企業の発掘と育成を続ける。(写真:鍋島明子)

伊佐山:非常に多いと思います。「ユニコーン企業」と呼ばれる時価総額10億ドルを超える非上場ベンチャーの創業者を見ると顕著ですね。米国のユニコーン企業トップ10のうち、半数の創業者が移民です。例えば、米ベンチャー時価総額ランキング1位の配車サービス「Uber」の共同創業者、ギャレット・キャンプ氏はカナダからの移民、4位のシェアオフィス運営「WeWork」のアダム・ニューマン氏はイスラエル出身です。宇宙開発ベンチャー「スペースX」のイーロン・マスク氏が南アフリカからの移民であることは有名ですね。これだけ見ても、移民が創業したベンチャーは市場評価の高い企業が多く、第2のフェイスブックやツイッターがこの中から出てくる可能性は大きいと言えます。

シリコンバレーはアメリカンドリームの聖地

そもそも、なぜシリコンバレーに移民が集まるのでしょうか。

伊佐山:ランキングを見るとインド系の移民が圧倒的に多く、この後にカナダ、欧州、イスラエル、中国が続きます。カリフォルニア州に限定すれば、よりインド人の割合が多く、次は中国、欧州系だと思います。彼らは「より豊かになりたい」「より良い生活をしたい」といったアメリカンドリームを実現すべくシリコンバレーにやってきます。

 では、なぜシリコンバレーなのか? それは単純で、豊かになるためには世界をリードしている新しい産業に携わらなくてはならないからです。それが何かを考えると、今はやはりIT(情報技術)産業ですよね。

 IT産業なら、シリコンバレーでなくても、ロシアでもイスラエルでもいいと思うかもしれません。パソコンがあればどこでも仕事ができますから。しかし、重要なのは事業化するときに才能ある人材と資金が必要だということ。シリコンバレーにはそのどちらもが集積しています。

 あとは環境が良いことも影響していると思います。シリコンバレーは温暖で天候が安定しています。ストレスを感じることの多いベンチャー起業家にとって精神的にも居心地がいい場所なのです。

 まとめると、移民として米国に来るキッカケはより豊かになりたい、より良い生活をしたい、より上を目指したいという気持ち。それを実現するには、最先端のIT産業に携わることが最も近道で、シリコンバレーはその分野の中心地です。だから、ここには世界中から移民が集まってくるのです。

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「「移民排斥」はシリコンバレーを潰す」の著者

齊藤 美保

齊藤 美保(さいとう・みほ)

日経ビジネス記者

2011年中央大学法学部卒業。同年、日本経済新聞社に入社。産業部にて電機、IT、自動車業界を担当した後に、2014年3月から日経ビジネス編集部に出向。精密業界を中心に製造業全般を担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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