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余命4カ月、あなたは会社に行きますか?

仕事と、仲間と、食べることを愛す(もちろん妻も!)

2017年2月6日(月)

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 口腔底がんの手術後、ものを噛む機能に障がいが残った夫・アキオさんのために、初めての介護食作りに取り組んだ料理研究家の妻・クリコさん。前回は仮の入れ歯を入れたアキオさんが、食べられるものが増えて、クリコさんが作る家庭の定番料理・介護食バージョンをさらに楽しみ、食べたいものを食べられるヨロコビを満喫。そこに生きる希望と活力を見出した…というお話をお伝えしました。今回はその後のお二人についてです。

(前回から読む

ふわふわの鶏団子を詰めた丸ごと蕪を、和風出し汁でコトコトと煮含めた「蕪のふわふわ鶏団子詰め」。やわらかくてほんのり甘い蕪と鶏肉団子の旨味を、出し汁のきいたとろみあんがやさしく包み、とろけるおいしさが口いっぱいに広がります

快復への確かな手ごたえを感じていた、その矢先に

 待ちに待った職場復帰を果たし、少しずつ仕事のギアを上げていくアキオは、まるで水を得た魚のようだった。わたしはそんなアキオを毎日、まぶしいような、頼もしいような想いで見つめる。アキオはやっぱり仕事が好きなんだなぁ。

 アキオには大好きな仕事を思いっ切りやってほしい。

 仕事が楽しそうなアキオを見るのがうれしかった。もちろん、食事も、仮の入れ歯が入ったことで、噛む力が増し、食べられるものが増え、アキオの食欲はとどまることを知らなかった。食べたいものを食べ、大好きな仕事に張り合いを感じているアキオの姿に、快復への確かな手ごたえを感じていたわたしは、すべてが順調に行っていると安心しきっていた。

 だが、そのわずか1カ月後のある日、突然、アキオは「食欲がない」と体調不良を訴えた。ガンの再発だった。

 医師からの余命宣告は淡々としたもの。
 ――残された時間は4カ月。

 その頃の、わたしとアキオのメールが残っている。

アキオへのメール
 わたしはアキオとずっと一緒。ふたりで頑張ろうね。愛してるよ。クリコ

アキオからの返信
 おおっ!

 この時、アキオは大きな不安の中にいたと思う。この短い「おおっ!」という返信は、自分を奮い立たせるための覚悟の言葉であり、「クリコ、頼むな」という言葉でもあるのだろうと、わたしはいくつものアキオの気持ちを想像した。ふたりで新たに闘う覚悟をした瞬間だった。

アキオは会社に出社することを止めなかった

 自分の命の終わりを宣告されたら、ひとは何を考え、残りの日々をどう生きようと思うのだろう。

 快復への手ごたえを感じていただけに、アキオにとっても、わたしにとっても、その宣告は大きな衝撃であり、信じられない、信じたくないものだった。そして、その現実は目の前にあった。

 アキオとわたしは、生きる望みを捨てることなく、免疫細胞治療に望みを託した。その一方で、緩和ケア病棟への入院手続きも行った。

 そしてアキオは、余命宣告後も、会社に出社することを止めなかった。

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