• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

最後に笑うのは「グリット」を持った人だ

グリット=努力・根性・忍耐・情熱を嗤うな(1)

2016年12月1日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 米国ではここ数年、成功を収めるための最も重要な要素として「グリット」が注目を集めている。その意味は、努力・根性・忍耐・情熱。人生で成功するには、IQの高さや天賦の才よりも、グリットのほうが重要であることが、科学的にも裏付けられている。米国でも(日本でも)、かつては、グリットが尊重されていたが、つい最近まで、天賦の才や優れた容姿、富を持った人が称賛され、努力や忍耐は軽んじられる傾向にあった。しかし、その流れが変わりつつあるという。『GRIT 平凡でも一流になれる「やり抜く力」』の共著者のリンダ・キャプラン・セイラー氏に、今なぜグリットが脚光を浴びているのかを聞いた。

(肥田美佐子=NY在住ジャーナリスト)

 米国ではここ数年、成功を収めるための最も重要な要素として「グリット」が注目を集めている。その意味は、努力・根性・忍耐・情熱。米国でも(日本でも)、かつては、グリットが尊重されていたが、最近では、天賦の才や優れた容姿、富を持った人が称賛され、努力の根底にあるグリットは軽んじられる傾向にある。つまり、華やかな結果にばかり目を奪われてしまい、その結果につながる過程を見ようとしない。

 ところが、功成り名を遂げた人をよく調べてみると、必ずしも生まれながら才能に恵まれた人が成功をつかみ取っているわけではない。

 たとえば、バスケットボール界のスーパースター、マイケル・ジョーダンや私の大学の同窓生で個人的にもよく知っているコリン・パウエル元米国務長官、映画監督のスティーブン・スピルバーグ、中国の電子商取引最大手アリババ集団を創業したジャック・マー会長。彼らはいずれも、幼少期は普通の子どもだった。誰一人として、神童や名手として生まれついたわけではない。

 彼らに共通するのは、誰にも負けない努力・根性・忍耐・情熱、つまりグリットである。成功を収める人々の大半に共通する事実は、天賦の才やIQという“It Factor”(イット・ファクター=生来備わった要因)ではなく、“Grit Factor”(グリット・ファクター=グリット要因)を持っていることだ。飛び抜けた才能やIQがなくても、必死に努力すれば誰でも成功できる。そして、グリットのいいところは、才能と違って後天的なものなので、いつでも、その努力を始められるところにある。

 私と長年の仕事のパートナー、ロビン・コヴァルは、グリットのすばらしさに気づき、それを多くの人に知ってもらいたいと思い、『GRIT 平凡でも一流になれる「やり抜く力」』を執筆することにした。

リンダ・キャプラン・セイラー
1997年に広告代理店キャプラン・セイラー・グループをロビン・コヴァルと共同で創業し、CEOに就任。パブリシス・キャプラン・セイラー(現・パブリシス・ニューヨーク)の会長も務めた。コダック・モーメント、アフラックのアヒルのCMなど、有名な広告キャンペーンを数多く手がけ、アメリカの「広告の殿堂」入りを果たす。リンダたちが手掛けたアフラックのアヒルのCMによって、アフラックの知名度は3%から96%に跳ね上がった。現在は、長年続けた広告代理店の仕事から離れ、大学などで主にグリッドに関する講演活動を行っている。最新刊は『GRIT 平凡でも一流になれる「やり抜く力」』(ロビン・コヴァルとの共著、日経BP社)。

弱小企業が75社との激烈な競争に勝てた理由

 この本を書こうと思ったのは、私たちの実体験がきっかけだった。1997年、ロビン・コヴァルと広告代理店キャプラン・セイラー・グループを創業した。広告業界は競争が激烈で、しかも男性中心の社会。40代の女性2人で立ち上げた会社の分の悪さは覚悟の上だった。ライバルより何倍も一生懸命に働き、工夫し、スタッフ同士が緊密に協力し合い、常にライバルの一歩先を行っていなければ、競争を勝ち抜くことはできない。

 グリットのすばらしさを最も実感したのが、2009年に米ファストフードチェーン、ウェンディーズの広告・宣伝業務を受注したときだった。それまでにも、アフラックのアヒルCMを発案したりして、小さな成功はあったが、ウェンディーズの話は仕事の規模が違った。競合は、なんと75社! キャプラン・セイラー・グループは、そのなかで最も小さく無名の代理店だった。誰も私たちの会社が勝つとは思っていなかった。ウェンディーズでさえ、まさか私たちに発注するとは当初考えもしなかったそうだ。

コメント10件コメント/レビュー

★絶対不敗の秘訣は「勝つまで続けること」か、「勝てる勝負しかしない(負ける勝負はやらない)」のどちらかですからね。最近は後者の戦術をとるのが賢い、という風潮ですが、やはり前者の「やり抜く力」は大事だな、と思います。   ★「無駄な努力をしてもダメ」というコメントもありますが、「努力する」「やり抜く」というのは、何も同じことを繰り返せ、と言っているのではなく、Aが失敗したらB、Bが失敗したらCというように、様々なアプローチによる試行錯誤を重ねると言うことだと思います。   ★誰の言葉だったか、「1万回失敗したのではない。1万通りのうまくいかないやり方を見つけただけだ」という言葉がよく表していると思います。(2016/12/08 17:10)

「古くて新しい成功の必須要素「グリット」とは何か」のバックナンバー

一覧

「最後に笑うのは「グリット」を持った人だ」の著者

肥田 美佐子

肥田 美佐子(ひだ・みさこ)

ニューヨーク在住ジャーナリスト

「ニューズウィーク日本版」編集などを経て1997年、渡米。米広告代理店などに勤務後、独立。08年、ILOメディア賞受賞。米経済、大統領選など幅広く取材。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

★絶対不敗の秘訣は「勝つまで続けること」か、「勝てる勝負しかしない(負ける勝負はやらない)」のどちらかですからね。最近は後者の戦術をとるのが賢い、という風潮ですが、やはり前者の「やり抜く力」は大事だな、と思います。   ★「無駄な努力をしてもダメ」というコメントもありますが、「努力する」「やり抜く」というのは、何も同じことを繰り返せ、と言っているのではなく、Aが失敗したらB、Bが失敗したらCというように、様々なアプローチによる試行錯誤を重ねると言うことだと思います。   ★誰の言葉だったか、「1万回失敗したのではない。1万通りのうまくいかないやり方を見つけただけだ」という言葉がよく表していると思います。(2016/12/08 17:10)

こうやってまた搾取に都合の良い人間を作ろうとする。
努力といっても、無能な働き者を出しては駄目なんだよな。
間違った努力は却ってマイナスだ。
『最後に笑うのは「グリット」を持った人が多い』とまでは言えるが
表題の通りは印象のすり替えではない?
後は、勝つまでやる(努力?)から最後に笑うとか逆説的考えに、ゴール次第とも。
『勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし』のように、
勝者から秘訣を見つけるよりも敗者から敗因を知り、負けない様にする事の方が、
多くの人には有用であろう。
「努力」は負けない為の1要素でしかない。
意味があり今後に繋がる努力かどうかもしっかり自問自答しながら努力しないと。(2016/12/02 22:35)

IQに対するEQと言う概念が出てきたり、社員を家族扱いしたり、日本で当たり前のように行ってきたことが米国流のコンサルの皮を纏った新概念として伝わってくることが増えたように思います。ハリウッドがコンテンツ不足で日本他世界中のシナリオを買い漁っているように、あちらのコンサルも商売ですから新ネタの布教に忙しいのでしょう。

>日経ビジネスの読者は「グリット」に否定的ですね
ある程度の年齢以上の日本人ならば「努力と根性」「継続は力なり」は当たり前すぎて「今更何を言っているんだ」と思ったからでしょうね。

>頑張る力って才能だと思いますから、頑張れるだけで並の人間よりも優れてるんです
大いに同意します。頑張る前に「頑張る力」が先天的に欠けている場合、どうやってその力を付けるかが重要だと思います。頑張る人は放っておいても勝手に頑張りますからね。(2016/12/02 09:54)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

店長や売り場主任などの管理職は、パートを含む社員の声を吸い上げて戦略を立てることが重要だ。

川野 幸夫 ヤオコー会長