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卒業=失業?新卒800万人の中国就活事情

大卒「蟻族」「啃老族」が社会問題に

2017年11月30日(木)

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中国の名門大学、清華大学で開催された某国有企業の就職説明会(2017年11月、北京市内)

 国慶節を終えた直後の10月中旬、対外経済貿易大学の教え子のSNS上に悲痛なつぶやきが流れた。

 「倍率は50倍だって!」。

 大手国有商業銀行の某地方支店の応募状況だ。彼女のSNSはほどなく、同じく就活真最中の同級生たちからのコメントで埋め尽くされた。

 中国では今、秋季の就職活動が佳境を迎えている。新学期が9月から始まる中国では、就職活動は秋季と春節を挟んだ翌年の春季の二度のピークがある。それぞれ10月と2月頃から始まり、3か月ほど続く。

 日本の新卒採用状況をみると、人手不足や企業の好業績を背景に空前の「売り手市場」が続いている。一方中国では、年7%近い経済成長を続けており、2012年から生産年齢人口が減少に転じ、都市部の年間新規就業者が1300万人を超えているため、学生優位の「売り手市場」となっていると思われがちだが、中国の就活状況はまったく異なる。

就職超氷河期の現実

 学歴を極めて重視する中国において、現代版科挙とも言える中国の全国大学統一入試、通称「高考」は人生最大のイベントと言っても過言ではない。その熾烈な競争を勝ち抜いてきた学生たちを4年後に待っているのは「就職超氷河期」という現実である。

 中国では1998年に高等教育規模拡大政策が実施され、大学の定員数は右肩上がりに増加してきた。教育部の統計によると、98年に約87.7万人(大学生83万人、院生4.7万人)だった卒業生は、2016年には760万人(大学生704万人、院生56万人)まで増加している。中国国内の報道によると、2017年に卒業生は795万人、2018年には800万人を超える見込みである。

中国の大学卒業生の推移
出所:中国教育部の統計より筆者作成

 学内でも「史上最悪の就職難」という言葉をよく耳にするが、毎年「史上最悪」を更新している状況だ。

 卒業生が急増する一方で、その受け皿となる企業の増加スピードは追いついていない。

コメント7件コメント/レビュー

なるほど、たいへんよく分かりました。どの国でも、教育政策は環境の変化を無視して、国の都合だけで進められ、若者が両者の間で翻弄されるという構図は変わらないということですね。
自ら考えることを放棄して、国の政策に乗っかって安閑としている若者も若者ですが。
20年後には、日本と同様に、中国も質的には甚だしいミスマッチを抱えながら、量的には売り手市場になるのでしょうね。(2017/12/01 09:30)

「西村友作の「隣人の素顔」~リアル・チャイナ」のバックナンバー

  • 西村友作の「隣人の素顔」~リアル・チャイナ

    2017年11月30日

    卒業=失業?新卒800万人の中国就活事情

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「卒業=失業?新卒800万人の中国就活事情」の著者

西村 友作

西村 友作(にしむら・ゆうさく)

対外経済貿易大学 副教授

1974年熊本県生まれ。2010年に中国の経済金融系重点大学である対外経済貿易大学で経済学博士号取得後、日本人としては初めて同大専任講師として正規採用される。2013年1月より現職。日本銀行北京事務所客員研究員。専門は中国経済・金融。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

なるほど、たいへんよく分かりました。どの国でも、教育政策は環境の変化を無視して、国の都合だけで進められ、若者が両者の間で翻弄されるという構図は変わらないということですね。
自ら考えることを放棄して、国の政策に乗っかって安閑としている若者も若者ですが。
20年後には、日本と同様に、中国も質的には甚だしいミスマッチを抱えながら、量的には売り手市場になるのでしょうね。(2017/12/01 09:30)

中国の現状が良くわかる記事でした。
可能であれば、記事の最後に一言二言でよいので、筆者の持つ中国情報を我々の経済活動にどのようにリンクさせるべきか、私見程度で良いので加えて欲しい。
例えば今回の記事であれば「日本での就職門戸を広げ、優秀な人材を取り込んでいくべき」だとか。今、この手の論調だとコメント欄がすごいことになりそうですが…
良ければ筆者の率直な意見も聞かせて欲しい。(2017/11/30 11:20)

興味深く拝読しました。今後とも、『「隣人の素顔」~リアル・チャイナ』のとおり、真実像の紹介をお願いします。(2017/11/30 09:28)

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