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森友問題に見る、自浄できない自民党の限界

2017年3月17日(金)

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(写真:つのだよしお/アフロ)

 今、学校法人「森友学園」をめぐり、小学校の設置認可、小学校新設のための国有地の取り引きなど、数多くの問題が話題を呼んでいる。

 中でも大きな問題は、森友学園が小学校を開設するにあたって、財務局が鑑定価格9億5600万円の国有地から地下のごみ撤去費として8億1900万円などが差し引かれた約1億3400万円で購入した。民進党によると、国は汚染土除去費用として1億3176万円を支払ったと指摘している。これを考えると、学園の負担はたった200万円ということになる。

 どうしてこんなことになったのか。これにはやはり、政治的関与があったのではないかと思わざるを得ない。国有地の問題も、なぜ売却費がこんなに下がってしまったのか。

 この点に関しては、近畿財務局と学園側との交渉の記録や報告書がすでに破棄されていることが分かった。こんな大事な記録を破棄することなどあるのだろうか。第一、最終報告書は破棄したとしても、それを作成するための計算書は残っているはずだ。それを「破棄した」として提出しないというのは、「表に出すと非常に都合の悪いこと」だと疑われてもおかしくないだろう。

 まだ疑惑がある。森友学園が大阪府豊中市で建設中の小学校について、府私立学校審議会(私学審)に報告した校舎の建築費と、国の補助金を申請する際の建築費も食い違っている。

 国有地の問題だけでなく、国民の疑惑をかき立てるような事柄が次から次へと起きている。その1つが、稲田朋美防衛大臣の言動だ。

 稲田氏は、国会で野党から「かつて弁護士として森友学園のための弁護活動をしたのではないか」と問われて、「同法人理事長の籠池夫妻から法律相談を受けたことはない。裁判を行ったこともない」と答えていた。提示された署名入りの書面についても「初めて見た。同じく弁護士である夫との共同の事務所であるから、連名で資料を出しただけだ」と説明した 。

 ところが翌日、稲田氏はこれまでの発言を覆した。「記憶になかったが、やったことがある。弁護士の夫の代わりに出廷したのではないかと推測している」と訂正して謝罪した。

 こんなおかしなことがあるだろうか。記憶になかったというだけでは済まされない問題だ。国会答弁があまりにも軽々しすぎる。野党は当然、稲田氏の辞任を強く要求している。

 さらには、稲田氏は籠池理事長夫妻から政治献金を受け取ったことまで露呈してしまった。常識的に考えれば、当然、稲田防衛相は辞任すべきだと思う。

 共同通信社が11、12日に行った世論調査によると、森友学園への国有地売却問題について、86.5%が「適切だと思わない」と回答したという。また、籠池氏を国会招致して説明を求めることに「賛成」と回答した割合も74.6%に上った。

 さらには、政府が十分に説明していると思うとの回答は5.2%しかなく、「思わない」は87.6%に達したという。学園との関係をめぐる安倍晋三首相のこれまでの説明を「納得できない」と答えたのは58.3% という結果になった。

 つまり、国民のほとんどが森友問題には疑惑を抱いているということだ。

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「森友問題に見る、自浄できない自民党の限界」の著者

田原 総一朗

田原 総一朗(たはら・そういちろう)

ジャーナリスト

1934年滋賀県生まれ。早大文学部卒業後、岩波映画製作所、テレビ東京を経て、フリーランスのジャーナリストとして独立。「朝まで生テレビ!」「サンデープロジェクト」等のキャスターを務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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