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自民の未来を占う「ビジョンなき都議選」

2017年6月30日(金)

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小池百合子都知事が率いる都民ファーストが都議会第一党になるのか(写真=Sipa Press/amanaimages)

 7月2日投開票の東京都議会議員選挙が終盤を迎えている。焦点となるのは、小池百合子知事が率いる地域政党「都民ファーストの会」と自民党、どちらが都議会第1党となるか。その1点だ。

 2013年6月の都議選では、自民党が圧倒的な勝利を収めた。ところが今回は都民ファーストと自民党の支持率が拮抗している。6月24、25日に日本経済新聞社と共同通信社など8社が実施した都議選世論調査では、投票先として「都民ファーストの会」と答えた人は26.7%、「自民党」は25.9%。読売新聞社の世論調査では、「都民ファーストの会」は26%、「自民党」は23%だった。

 小池氏が都知事になるまでは、東京都政はいわばブラックボックスだった。都民から見ると、何をやっているのかさっぱり分からなかったのだ。

 都知事に就任した小池氏は、不透明だった都政を透明化することに努めた。例えば、東京五輪などの都が関わる事業において、利益誘導がないかを徹底的にチェックした。築地市場の豊洲移転問題でも、できる限り情報を開示しようとした。これらは彼女の大きな功績だ。

 特に豊洲市場では、建物の下が盛り土されているはずだったが、実際は主要な建物で盛り土がなかったことが発覚し、大きな話題となった。

 小池氏によって、都民に嘘をつくような都議会の杜撰な行為が次々と明らかになったのだ。こうして都民の信頼を集めた小池氏の支持は、次第に強固なものとなっていった。

 一方、自民党は、都政の問題以上に、安倍内閣が通常国会を強引に幕引きしたことで国民の強い反発を招いた。与党は共謀罪法案について、中間報告という形で参議院法務委員会での採決を省き、本会議での強行採決に踏み切った。加計学園問題で国会が長引けば、支持率が大幅に落ちると考えたのだろう。

 逆に言えば、これが小池氏率いる都民ファーストの会にとっては追い風になった。

 さらには、こんな話もある。マイナスイメージの強い安倍首相は、都議選で姿を現すと逆効果になるから、応援の街頭演説もできないというのだ。ようやく26日に文京区内の小学校で演説をしたが、自民党候補からは、「安倍さんに応援に来てもらうと逆効果だ」といった声が上がっている。非常に奇異な都議選だと思う。

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「自民の未来を占う「ビジョンなき都議選」」の著者

田原 総一朗

田原 総一朗(たはら・そういちろう)

ジャーナリスト

1934年滋賀県生まれ。早大文学部卒業後、岩波映画製作所、テレビ東京を経て、フリーランスのジャーナリストとして独立。「朝まで生テレビ!」「サンデープロジェクト」等のキャスターを務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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