米国は北朝鮮にミサイルを打つか

 9月3日、北朝鮮が6度目の核実験を実施した。小野寺五典防衛相は、「爆発の規模はTNT火薬に換算すると、広島に投下された原爆の10倍以上にあたる約160キロトンになる」と発表した。これまでの核実験と比べると、はるかに大きな規模だ。

米各紙は最近の北朝鮮のミサイル実験とトランプ大統領の対応について大きく紙面を割いている(写真=Sipa USA/amanaimages)

 今、日本政府は、北朝鮮問題に対してどのように対応すべきか分からず、非常に困惑している。というのは、米国の姿勢がよく分からないからだ。

 どうやら米国の方針は、はっきりとは定まっていない。北朝鮮への圧力を強化すると主張してはいるものの、トランプ大統領は強硬な姿勢と柔軟な姿勢が入り乱れていて、明確な戦略が示されていない。

 時間が経てば経つほど、北朝鮮が有利になる。僕は、米国はもっと早い段階で北朝鮮と対話すべきだったと思う。この段階での対話は、北朝鮮が核保有国だと認めることを前提とした対話になってしまうからだ。

 僕は、北朝鮮の建国記念日である9月9日に、グアム沿岸を狙う弾道ミサイル発射の可能性があると考えている。

 これが現実となれば、米国は迎撃するかもしれない。

 米国が北朝鮮を核保有国として認めるとなると、韓国も核兵器を持たざるを得ない。当然、日本の核保有のあり方に関する議論も発生するだろう。

 すでに、非核三原則を見直すべきではないかという声が上がりつつある。自民党の石破茂氏は、6日のテレビ番組で「米国の核の傘で守ってもらうといいながら、日本国内に核兵器は置きません、というのは本当に正しい議論か」「北朝鮮の核開発への抑止力として米軍の戦術核兵器の国内配備について議論を始めるべきだ」と述べた。非核三原則の見直しを提起したのである。

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著者プロフィール

田原 総一朗

田原 総一朗

ジャーナリスト

1934年滋賀県生まれ。早大文学部卒業後、岩波映画製作所、テレビ東京を経て、フリーランスのジャーナリストとして独立。「朝まで生テレビ!」「サンデープロジェクト」等のキャスターを務める。

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いただいたコメントコメント33件

「似た傾向のコラムがもう一つありますが、そちらも同じ終焉に向かうのかな。」と書かれた方へのコメントです。

残念ながらそのような事にはなりません。
NBOもビジネスでこの事業をやっています。
ですから炎上して批判的なコメントが多く寄せられればそれで結構な事となります。
NBOは慈善事業ではありません。
アクセス数さえ伸びれば中身はどうでも良いのです。
今後この様なコラムは益々増えて炎上ビジネスが繁盛する事態になるでしょう。
非常に残念なことですが、我々読者は賢くならないとイケナイ様です。(2017/09/14 01:35)

シノドスの3/16号の記事では、「北朝鮮人の中国人に対する差別意識や、中国に対する警戒心が強い北朝鮮の事情から考えれば、北朝鮮と中国の関係は日本などで思い込んでいるような良好なものではない」とあります。

中国が北朝鮮を制御できると考えるのは、根拠の無い幻想なのではないでしょうか?トランプ政権が中国に責任を押し付けるのは、北朝鮮に対して本気で対峙するつもりの無いことの現れなのではないでしょうか?

トランプ政権が動かないなら、日本も核防衛に走るのは、論理的に自然な話ではないでしょうか?(2017/09/12 21:53)

 9月9日を過ぎてしまいました。国連の安保理決議も可決しました。増々、米国の軍事行動が先延ばしになります。北朝鮮が近々に核兵器搭載の大陸間弾道弾を完成させれば米国もうかつに軍事行動を起こせないので当分平和が続くでしょう。(2017/09/12 08:35)

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