• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

いざなぎ景気を超えてもデフレは脱却できず

「時間稼ぎの資本主義」は限界に達しつつある

2017年11月24日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

安倍首相は衆院選で大勝したが、デフレ脱却はまだ達成できていない
(写真:AFP/アフロ)

 日本の景気拡大の期間が今年9月で58カ月間に達し、高度成長期の「いざなぎ景気」を超えたと報じられた。

 今月15日に内閣府が発表した7~9月期の国内総生産(GDP)速報値は、実質で前期比0.3%増、年率換算で1.4%増。7四半期連続のプラス成長で、16年ぶりの長さだという。

 安倍晋三首相が何度も主張している「デフレ脱却」にも近づいている。国内で生産されたモノやサービスの価格水準を示す「GDPデフレーター」は前期比0.3%増となり、2四半期ぶりの上昇となった。

 これについて内閣府は、「デフレ脱却に向けた局面変化」が見られると分析した。企業業績も過去最高水準に達している。このままの成長が続けば、デフレ脱却の可能性が高いということだ。

 一部の専門家によると、日本がデフレに陥ったのは、1998年だという。政府は2001年3月に「日本経済は緩やかなデフレにある」と発表した。

 デフレは想像以上に日本経済を冷え込ませた。企業の売り上げは落ち込み、賃金は伸び悩み、消費者も財布の紐を固くした。このスパイラルは長期に及び、日本経済は低迷を続けたのだった。

 そこで安倍首相は「物価目標2%」を掲げ、アベノミクスをスタートさせた。一番の目玉は、日銀が打ち出した「異次元の金融緩和」だ。さらには、このデフレ脱却のチャンスを生かすべく、安倍首相は来年の春闘に向けて、経済界に3%の賃上げを要請した。 5年連続の要請である。

 現在の景気拡大は、本当にデフレ脱却のきっかけとなるのだろうか。

 先に触れた7~9月期のGDPの内訳を見ると、実質GDPの成長にどれだけ影響したかを示す寄与度は、内需が0.2%分を押し下げ、外需が0.5%分を押し上げている。

 つまり、国内の消費は弱いままなのである。この景気拡大は、内需が伸びているわけではなく、堅調に推移する世界経済によるところが大きいのだ。

 物価についても疑問がある。内閣府は「デフレ脱却に向けた局面変化」を主張しているが、現在のインフレ率は1%を切っており、日銀が掲げる「物価目標2%」にはまったく届いていない。

中央銀行の「時間稼ぎ」は限界に達しつつある

 これについて、11月21日付の朝日新聞「低成長経済 時間かせぎの資本主義、限界に」 で、次のような分析があった。

 『時間かせぎの資本主義――いつまで危機を先送りできるか』(みすず書房)の著者であるドイツの社会学者ヴォルフガング・シュトレーク氏によると、先進国の自然体での高成長は1960年代に終わっていたという。

 「そこで各国は成長をなんとか延命させようと時間かせぎに走る。(略)時間かせぎの手法は限界を迎えるたびに入れ替わった。70年代はインフレ、80年代は政府の借金、90年代からは家計の借金。それが膨れあがって破裂したのが2008年のリーマン・ショックだった」

 今、中央銀行による金融緩和策が世界景気の下支えになっているわけだが、これも限界に達しつつあるのではないかという話である。

コメント21件コメント/レビュー

同じ財政ファイナンスをするなら、民間企業を中間に狭む事自体が間違っているのではないか?
(今の金融緩和は、財政ファイナンス並みだと思う)

トリクルダウンしない現状では、各成人国民に直接現金(月35万)を配るヘリコプターマネーを長期で続ける方がより有効だと思う。

人をコスト扱いし投資しない企業はバタバタ倒れ、内需は拡大するだろう。(2017/11/27 09:23)

「田原総一朗の政財界「ここだけの話」」のバックナンバー

一覧

「いざなぎ景気を超えてもデフレは脱却できず」の著者

田原 総一朗

田原 総一朗(たはら・そういちろう)

ジャーナリスト

1934年滋賀県生まれ。早大文学部卒業後、岩波映画製作所、テレビ東京を経て、フリーランスのジャーナリストとして独立。「朝まで生テレビ!」「サンデープロジェクト」等のキャスターを務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

同じ財政ファイナンスをするなら、民間企業を中間に狭む事自体が間違っているのではないか?
(今の金融緩和は、財政ファイナンス並みだと思う)

トリクルダウンしない現状では、各成人国民に直接現金(月35万)を配るヘリコプターマネーを長期で続ける方がより有効だと思う。

人をコスト扱いし投資しない企業はバタバタ倒れ、内需は拡大するだろう。(2017/11/27 09:23)

賃上げは確かに必要でしょう。また将来の為の技術開発への投資も、相当増やすべきと信じます。無資源国家日本の唯一の強みは、開発力でしょう。

また最近は人手不足で倒産する小企業も出てきました。なら人が働きたくなる賃金にすればいいし、低賃金で従業員を雇うしかない企業など、つぶれても仕方ないでしょう。

日本人がやりたがらないと言って、安易に移民に頼るのは大いに危険です。ヨーロッパの惨状が、見えていないのでしょうか。これも目先の利益だけ見てしまう、悪しき経済人の危険な願望です。

ブームにのって中国に進出した日本企業が、今苦しんでいると聞きます。にもかかわらずまた一帯ナントカで一儲け、などと企む経済人は、本気なのでしょうか。(2017/11/27 06:37)

何言ってんだか
原因の一つがプレイヤーの相互不信で流れが回らないからでしょう?
「政府・日銀」が音頭を取って行動しても

・「銀行」は「会社」を見る目が無く只の上前をはねる・リスク避けるだけの集団になる
 「個人」からはカードローン・リボ払い含め高い金利を取るが与信が適当なので
 取り易い優良個人の金利で悪質な個人の穴埋めするだけ
・「会社」は貸し剥がしで「銀行」を信用しないので投資慎重、
 「労働者」もコストと解雇しにくい所ばかり見るので給与増加や増員に慎重
 →内部留保に勤しむ
・「労働者・個人」は給与が上がらないので購買力上がらず
 →政府や制度・会社に出来るだけすがる(もらえるものは貰う)
 →コストばかり見る、値切り(デフレ圧力)
 →先行き不安(政府・会社・銀行不信)で出来れば貯蓄に向かう
 →自己破産も軽く考えて無茶をする人間も増える

個人的にはFX含めた実質ギャンブルで破綻するのを抑止・禁止しないととおもう。
金転がしばかりが儲かる・人数の比率増加は社会崩壊の一歩。(2017/11/26 14:29)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

日本の経営者は、経験を積んだ事業なら 失敗しないと思い込む傾向がある。

三品 和広 神戸大学教授