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豊洲を「小道具」にするな、都知事は政治決断を

土壌汚染と切り離し、市場としての安全性を検査すべし

2017年2月27日(月)

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「落としどころ」を見失った小池都知事

 そもそも小池都知事は豊洲市場を政治問題化することには熱心だったが、どうおさめていくのか、落としどころについては、ノーアイデアだったのだろう。相当気軽に考えていたとしか思えない。

 ところが1月14日に公表された地下水モニタリングの最終調査結果で、過去8回の検査結果とは比較にならない高い値の有害物質が検出されてしまった。201か所の調査地点のうち72か所という広い範囲で環境基準値を超えるベンゼンやヒ素、シアンが検出され、ベンゼンについては環境基準値の最大79倍もの値が検出されたことで、自分では収拾がつかなくなってしまった。

 土壌汚染の専門家も「突然、異常値が出ることは異例」だと口をそろえる。なぜそんなことが起きたのか。その理由として考えられるのは、過去の検査で不正が行われた可能性だ。

いずれも推測の域を出ない「異常値の理由」

 分析するための地下水のサンプルを差し替えてしまえば結果は全く変わってしまう。過去の地下水検査は豊洲市場建設にかかわったゼネコン系の検査機関が行っていたことから、そんな憶測が飛んだ。にわかには信じがたいが、もしそれが事実なら、都民に対する究極の背信行為。厳しく断罪されてしかるべき話となる。

 もうひとつの可能性は「これまでに浄化が完了しているとして稼働していなかった、地下水の浄化装置を再稼働して地下水が少し動いたからではないか」というものだ。ただしこれも推測の域を出ない。

 問題はここから、小池知事がどんな決断をするのか、あるいは何も決断せずに政治ゲームばかりに奔走するかだ。

この先の決断で、都知事としての真価が決まる

 小池都知事は当初から豊洲移転の時期は「1月の最終検査を待って判断する」としてきた。異常値検出を受けて、再調査を命じたが、この先どう振る舞うかで都知事としての真価が決まる。再調査の結果は3月に出るが、市場関係者や都民の不信感は極まっている。かりに再調査の結果が適正範囲に収まったとしても豊洲市場への移転に民意が流れるなんてことはありえない。ましてや再調査の結果がまたネガティブなものになったら、豊洲移転反対の声が一気に高まるだろう。どちらにしても豊洲は使えない市場になってしまったのだ。

 ここから小池知事がどう決断するかだ。

環境基準の70倍のベンゼンは致命的なのか

 環境基準の70倍を超えるベンゼンが検出されたことは、豊洲市場活用にとって致命的な検査結果なのだろうか。

 環境リスクに関する第一人者である中西準子・産業技術総合研究所名誉フェローは、「70倍」の検査結果が公表された直後に読売新聞の取材に対して、次のように応じている。
 「有害物質が揮発して地上に出て人が吸ったとしても、濃度は相当薄く、人体に健康被害が出ることは考えにくい」

 もちろん「危ない」と指摘する専門家もいる。

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「豊洲を「小道具」にするな、都知事は政治決断を」の著者

財部 誠一

財部 誠一(たからべ・せいいち)

経済ジャーナリスト

1980年、慶應義塾大学を卒業し野村證券入社。出版社勤務を経て、1986年からフリーランスジャーナリスト。BSイレブンの「財部誠一の『異見拝察』」などTVやラジオで幅広く活躍中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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