売れなくてもキャンペーンは続ける必要がある

お客様に「断られる」ことは大事

 先日、わが社の春のキャンペーンが終わりました。お客様に試供品をお配りしたり、モニターとして現物をお使いいただいたりします。キャンペーンには熱心で、現商品・新商品が出たといっては実施し、隣の家の三毛猫が子を3匹産んだ、と言っては実施します。

 …猫はさすがに冗談ですが、あらゆる機会を捉えて実施することは変わりません。年間4回はやります。キャンペーン中は、チャットワークで毎日速報が回ってきますから、社内はちょっとしたお祭り騒ぎです。これはスタッフの一体感を醸成し、また志気を高める上でもなかなか有効な「儀式」と思っています。

 相応の人員とコストを割いてキャンペーンを実施し、それが即売り上げにつながるかというと「NO」です。いやもちろん、まったく売れないということもないが、投じたリソースに見合うだけの成果が得られているとは(少なくとも短期的な数字の上では)いえない。ですが、それはそれでいいのです。わが社は「断られる」ためにキャンペーンをしているからです。

 会社は、売り上げを伸ばすためにキャンペーンを実施する。これは日本を代表する大企業から中小企業まで例外なくそうです(ですよね?)。つまりわが社は、もう前提からして普通の会社とは逆です。それはいったいどういうことか。項を改めてお話しましょう。

【小さなYES】を3度言うと、次にNOと言いづらい

 …と、その前に、あなたはビジネスパーソン向け心理術みたいな啓蒙書や雑誌記事などで、こんな話を目にしたことはありませんか。いわく、「人は【小さなYES】を3度言わされると、4度目にNOということに抵抗を感じるようになる」、と。ちょっと例を挙げてみましょう。こういう感じです。

 「今日は金曜日だし飲みにいかないか?」

 「いいね」(1度目のYES)

 「あ、鶏の唐揚げにレモン搾っていい?」

 「もちろん」(2度目のYES)

 「ねえ、煙草吸っていいかな」

 「かまわないよ」(3度目のYES)

 「おや、財布忘れてきた。悪い、今日のところは出しておいてくれないか」

 「…………いいよ」

 実際にこう上手くいくかはどうかは置いておくとしても、感覚としてはなんとなくわかるでしょう?

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著者プロフィール

小山 昇

小山 昇

株式会社武蔵野 社長

1948年山梨県生まれ。76年に武蔵野に入社し、89年から現職。赤字続きの同社で経営改革を断行。2000年、2010年に日本経営品質賞を受賞。ダスキンの加盟店業務の傍ら、550社以上に経営を指導。

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