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“大塚家具騒動”はどこで起きても不思議はない

後継者を悩ますカリスマ先代とのバトンタッチ

2016年4月15日(金)

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 3月25日、大塚家具の株主総会は60分足らずで終了し、大塚久美子社長の経営権掌握が進み、同社の立て直しが順調に進むかと思われた。しかし、その矢先の4月11日には、大塚家の資産管理会社に対して前会長の大塚勝久氏が起こしていた裁判では、今度は父が「勝利」を収めた。ここにきて、いったん終息したように見える両者の対立――。この「騒動」はどう総括すればよいのだろうか(前回の記事はこちらをご覧ください)。

 大塚家具の騒動は様々な教訓を含んでいる。オーナーを中心に結束して会社を盛り立ててきた経営と、外部の取締役や投資家の利益を尊重する経営が真正面からぶつかり合った。「日本的な古い経営」と「新しいグローバル標準の経営」の違いと見ることも可能だし、創業者が生きている「草創期の経営」と、その跡を継ぐ「二代目の経営」の違いと捉えることもできる。

 創業者は無条件に尊重されるべきか、娘は父親の言うことを黙って聞くべきか、社外取締役はお目付け役で、具体的な経営戦略にまで踏み込むべきではないのか、社員はトップに絶対服従すべきか、上に長女がいても年下でも長男が家業を継ぐべきなのか――。これまで漠然と「当たり前」と思われてきた日本の旧習に、久美子氏は果敢に挑んだと言うこともできそうだ。

 逆に言えば、今の日本の世の中で、どこででも起きる可能性のある問題なのだ。いや、実際、日本中のいたるところで似た問題が日々起きているに違いない。

 久美子氏が繰り返し求めていたように、単なる父娘喧嘩、一族内の争いと見るのではなく、オーナー企業が上場し、「社会の公器」となっていく過程で、経営をどう変え、創業一族との関係をどう構築していくのかは世の中の大きな関心事である。決して答えはひとつではないが、大塚家具の騒動から導き出せる答えはいくつかありそうだ。

 その答えを考える前に、創業者とはどんな存在かを考えてみたい。

創業者と後継者の役割はどう違う

 創業者について、久美子氏自身が語っている。騒動の表面化後、一番初めの記者会見の席上でのことだ。

2015年2月には久美子社長が中期経営計画を発表した(写真:菊池一郎、以下同)

 「創業者のリーダーシップというのは非常に強い、ある種のカリスマ性を持って会社を引っ張っていくわけです。これは、その人独自の特別な能力です。で、その能力を十全に生かすための組織とか、人のあり方というのがつくられていきます。創業者が引っ張っていくために一番効率よく引っ張れる組織というのがつくられていくんですけれども、では次に創業者がいなくなった時にどうなるか、と。

 同じような人を探すっていうことはほとんど不可能です。極めて稀な才能を持った人が創業者として成功するわけですから、同じことはできない。で、その時に、会社が本当に動かせる状態になっているのかどうか。強力なカリスマ性を持ったリーダーがいない会社で、瓦解してしまってはいけないわけですね。ですから、そのシフトの過程では、頭が代わるだけではダメで、組織全体が少しずつ変わっていくということが必要になります。

 その時間をどうとるのかということが会社の命運を左右することになると思います。そういう意味で、私がこの5年から10年の間に一番考えなければいけないことは、その転換というのをいかにスムーズにやっていくかということです。

 遅すぎるとですね、なかなかその転換は難しくなりますので、私としては今回のこのタイミングというのがギリギリのこのシフトを始めるにあたってのタイミングであるというふうに考えています」

「大塚家具騒動とは何だったのか?」のバックナンバー

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「“大塚家具騒動”はどこで起きても不思議はない」の著者

磯山 友幸

磯山 友幸(いそやま・ともゆき)

経済ジャーナリスト

ジャーナリスト。1962年東京生まれ。早稲田大学政経学部卒。日本経済新聞で証券部次長、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、「日経ビジネス」副編集長・編集委員などを務め2011年3月末に独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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