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クラウドがサバと客と店と地球を救う

第1回:資金とファンを同時に集めるサバ専門店の秘策

2016年7月19日(火)

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サバ料理専門店「SABAR(サバー)」を運営する鯖や(大阪府豊中市)の右田孝宣社長は、漁獲量が減少するサバを守るためにクラウドファンディングで1億円あまりを調達。サバの蓄養事業に乗り出す。これまでにも3685万円強を調達した経験のあるクラウドファンディング活用の先駆者、右田社長が資金調達ノウハウを語る。

 私は、サバの棒寿司(サバ寿司)をデパートの食品売場で販売する「鯖や」3店のほか、とろさば料理専門店 「SABAR(サバ―)」を運営しています。SABARは、居酒屋業態8店、食堂業態3店を東京や大阪などに展開しています。市場で買い付けたサバをおいしく食べていただくことが、私の仕事です。

 しかし、そのサバが危機に直面しています。
 近年、私たちが日常生活で食べてきた魚の漁獲量が減少傾向にあることはご存じでしょうか。例えば、マイワシは1990年頃には400万t近く水揚げされていたのに、そのわずか10年後の2000年以降は、20万tを割るようになりました(注)。スケソウダラも、この30年で8分の1ほどに減ってしまいました。マグロやサンマの漁獲量が減っていることも、度々ニュースになっています。

 実は、サバも同様です。85年頃に80万t近くあった漁獲量が約50万t以下に減りました。2013年頃から多少盛り返してはいるのですが、現在取れるサバの多くは小型のものです。たっぷりと脂が乗った500g以上のものは激減しています。これは、サバそのものが小さくなっているということではありません。生後0~2年目のサバの幼魚を取っていることが主な原因です。卵を産む前の幼魚を取ってしまうと、将来取れるサバの数を減らすことになります。

注)漁獲量は、農林水産省「海面漁業種類別漁獲量累年統計(全国)」による

 サバ一筋のビジネスをしている私としては、丸々と太ったおいしいサバが減ることは、死活問題です。このままサバが減少すれば、サバ寿司やサバ料理の価格を上げざるを得なくなるばかりか、将来は、提供できなくなってしまうかもしれません。サバが市場に流通しなくなり、飲食店や家庭で食べられなくなる。そんな最悪の事態になりかねません。

 サバを危機から救うため、クラウドファンディングで1億1380万円の資金を集めて、大規模なサバの蓄養に挑戦することにしました。1億円以上の金額を集めるのは簡単ではありません。でも、私には集めることができる自信があります。

 私は、SABARの大阪・福島店と天満店、東京・恵比寿店を開業する際に、クラウドファンディングを使って、3685万380円の資金を調達した経験があるからです。この時に得たクラウドファンディング活用のノウハウを生かすことで、1億1380万円を集めることは可能だと思っています。

 蓄養とは、幼魚を成魚に育てたり、成魚をさらに大きく成長させたりすることをいいます。一方、人工施設の中で卵から成魚になるまで育てるのが養殖です。2016年から新しい事業として、このサバの蓄養に挑戦します。名付けて「クラウド漁業」です。クラウドファンディングで調達した資金で、魚を蓄養する新しいビジネスモデルを私がクラウド漁業と名づけました。今回は、魚介流通のベンチャー企業であるフーディソン(東京・中央)と共同でサバを蓄養します。

 これが成功すれば、漁業者もお客さんも、私たちのような飲食店経営者も大きなメリットを得られます。この事業を立ち上げるために必要な資金として1億1380万円をミュージックセキュリティーズ(東京・千代田)が運営するクラウドファンディングサービス「セキュリテ」を使って調達します。1億円強の金額は、日本のクラウドファンディング史上最高レベルの調達額となるはずです。

SABARの人気メニュー「メガとろさばの塩焼き」。重量550g以上、体長30cm以上で皿からはみ出すほどの大型サバを使用する。このままサバの幼魚が乱獲されると、こうした大型のサバの価格が釣り上がる可能性がある

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「愛するサバのため、1億円、ファンディングします!」のバックナンバー

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「クラウドがサバと客と店と地球を救う」の著者

右田 孝宣

右田 孝宣(みぎた・たかのぶ)

とろさば料理専門店「SABAR」経営者

クラウドファンディングで資金を調達し、とろさば料理専門店「SABAR」を開業。新たに、1億1380万円をクラウドファンディングで調達し、サバの蓄養事業を始めることを目指す

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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