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トヨタ大野耐一氏の弟子が横須賀を再生

「自分の城は自分で守れ」と地場企業に経営を指南

2016年1月12日(火)

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 バブル経済崩壊の起点を1991年とすれば、「失われた20年」は今年で「失われた四半世紀」になる。山一証券の破綻に始まり、共同体の限界に気付くチャンスは何度もあったが、その都度、我々は問題を先送りにしてきた。

 経営力の低下、人口減少、社会保障制度…。「日経ビジネス」は今年、日本をむしばんでいる構造問題に切り込んでいく。中には目を背けたくなる問題もあるかもしれない。しかし、自分の城は自分で守るしかないのである。

 「一億総無責任社会」を克服しない限り、明るい未来はやってこない。今、我々が目を覚まさなければ、子供や孫の世代で日本は沈む。

 もう先送りは許されない。(文中敬称略)

 トヨタの礎を作ったトヨタ自動車工業(現トヨタ自動車)社長の石田退三は戦後の混乱期に銀行から融資を受けられなかった屈辱を忘れず、「自分の城は自分で守れ」と言い続けた。

 シャープ創業者の早川徳次は経営危機に直面した時「かわいい社員のクビを切ってまで、自分は会社を存続させられない」と一時は廃業を覚悟した。

 1965年、石川島播磨重工業(IHI)から経営不振の東芝に乗り込んだ土光敏夫は「決めるべき時に決めぬのは度しがたい失敗だ」と役員・社員を諭した。

 「誰のカネやと思っている。あんたにそれを使う資格はない」。日本航空を再建した稲盛和夫は、既得権のように予算を使おうとした役員を一喝した。

 危機に直面したリーダーたちは、決して問題を先送りせず、責任をもって問題に対峙した。先達に共通するのは「国を支えているのは自分たちだ」という強烈な自負心である。企業にとって税金は納めるもの。「税金で救ってもらう」などという甘えた考えは、彼らの中にみじんもなかった。その代わり、税金を納めていれば、経営に口を挟まれることもない。

 だが戦後70年を過ぎた今、日本企業は経営危機に陥るたびに政府の支援を仰ぎ、不正会計やデータ改ざんにまで手を染める。かつての矜持をすっかり失ってしまったようだ。

 だが、「自分の城は自分で守れ」とばかりに、これまで培ってきた知見を生かして地方の復活に尽力する老経営者もいる。

「カイゼン」の血が体に流れている

 特別養護老人ホーム「太陽の家二番館」(横須賀市)は、久里浜のヨットハーバーを見下ろす丘の上にある。

 2015年11月19日、午前11時、黒塗りのハイヤーが二番館に通じる急な坂を駆け上がってきた。入り口で車を出迎えたのは、ホームを運営する社会福祉法人、ユーアイ二十一理事長の石渡庸介と施設長の北村明美、総務担当責任者の梅田顕。3人とも緊張した面持ちである。

 ハイヤーから降りてきた人物は内川晋(77歳)。1998年から2008年までトヨタグループ、関東自動車工業(現トヨタ自動車東日本)の社長、会長を務めた。関東自動車に来る前はトヨタ自動車の生産部門に長く籍を置き「トヨタ生産方式」の生みの親、大野耐一の薫陶を受けた。トヨタ自動車会長の張富士夫と並び、直接、大野の薫陶を受けた最後の世代である。「カイゼン」の血が体に流れている。

内川晋氏(77歳)。1998年から2008年までトヨタグループ、関東自動車工業(現トヨタ自動車東日本)の社長、会長を務めた

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「トヨタ大野耐一氏の弟子が横須賀を再生」の著者

大西 康之

大西 康之(おおにし・やすゆき)

ジャーナリスト

日本経済新聞産業部記者、欧州総局(ロンドン)、日経ビジネス編集委員、日本経済新聞産業部次長、産業部編集員などを経てフリーのジャーナリストに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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