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サントリーホールに漂う異様な空気の正体とは?

2015年10月10日(土)

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マルティン・リープシャー《サントリーホール、東京》(2006年)展示風景

 約4メートル幅の写真というだけで、まずインパクトがある。写っているのは、オーケストラの演奏を豪華な内装のコンサートホールで楽しむ聴衆。ピアニストが何かに取り憑かれたかのように、鍵盤を叩いている。画面には、ステージと客席のほぼすべてが収まっているように見える。壁が山状に出っ張っている部分があることから、撮影者の周囲360度をぐるりと撮る近年のデジタルカメラにあるような機能を使ったことに想像が及ぶ。ドイツの作家、マルティン・リープシャーの作品《サントリーホール、東京》だ。

マルティン・リープシャー《サントリーホール、東京》(2006年)展示風景

 展示しているのは、東京・品川の原美術館で開かれている「そこにある、時間-ドイツ銀行コレクションの現代写真」展。つまり、この作品はドイツの一企業が所有するコレクションの中の1点なのである。

 それにしても、画面になにか異様な空気が漂っているのが気になる。じっと見ていると理由が分かる。オーケストラのメンバーを含め、写っている人間のすべてが、同一人物なのだ。客席の聴衆は皆おとなしく音楽に耳を傾けているわけではなく、足をだらしなく投げ出したり、演奏中なのに立ち上がったり。中には通路の陰に隠れて酒をラッパ飲みにしている姿もある。オーケストラのメンバーも何となく動きがばらばらだ。合成写真であることは疑いようもない。

 すべてかどうかは分からないが一人ひとりのポーズは概ね違うように見える。サントリーホールの客席数は約2000。空席は若干しかない。加えてオーケストラの団員が数十人。楽器を演奏する姿も入れ込まなければならない。なんと手間のかかることをやっているのか…。

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「サントリーホールに漂う異様な空気の正体とは?」の著者

小川 敦生

小川 敦生(おがわ・あつお)

多摩美術大学美術学部芸術学科教授

日経マグロウヒル社(現・日経BP社)入社後、日経アート編集長や同社編集委員を経て、日本経済新聞社文化部へ。美術担当記者として多くの記事を執筆。2012年4月から現職。専門は美術ジャーナリズム論。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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