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IoTのセキュリティ脆弱性が監視活動の役に?

2016年2月15日(月)

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 Internet of Things(IoT)のセキュリティ脆弱性はずいぶん前から指摘されているが、これが政府によるサーベイランス(監視活動)の役に立つというレポートが、ハーバード大学から発表された。

 このレポートは、同大学の有名な「Berkman Center for Internet&Society」が先ごろ出したものだ。同センターは、ハーバード大学ロースクール(法科大学院)の中にあり、インターネットやテクノロジーによる新しい社会や法体制の在り方を考えてきた組織だ。

 さて今回のレポートは、現在米Appleや米Google、米Yahoo!などのテクノロジー企業が採用している暗号によって、政府がテロリストら危険人物を監視できなくなり、サーベイランスは「暗闇」に悩まされているとするFBI長官らの苦情に応えるかたちで出されている。単純に言えば、「いや、暗闇じゃあないですよ。ほら、ここに抜け穴がたくさんあります」という内容である。

 テクノロジー企業は近年、Edward Snowden氏が暴露したNSA(国家安全保障局)による大掛かりな通信傍受、監視活動に対処するために、インターネットアプリケーションにおける暗号の利用を強化している。各社がNSAに「裏口」を提供しているためにこうした監視が可能になったのだと、一般ユーザーから大きな批判が出たからだ。NSAが監視していたのは危険人物であったとしても、その過程でごく普通の人々のデータも簡単に取得されていたのだ。

大手家電メーカーなどが軒並み対象

 一方で政府は、テクノロジー企業が暗号の利用を強化することによって、危険人物を監視できなくなったと主張していた。しかしハーバード大学が公表したレポートは、韓国サムスン電子のほか、米Alphabet傘下の米Googleや米Nest、玩具メーカーの米Mattel、蘭Philips、米General Electric(GE)、米Amazon.com、Apple、米Microsoft、米Tesla Motors、米Nikeなどの企業名を挙げて、各社のインターネット接続デバイスから、多様なデータが取得可能としている。

 例えば玩具メーカーのMattelならば、「バービー人形」に話しかけた子供の声がインターネットを介してクラウド上で分析され、これに対する返答が再びインターネットを通じて送られるという仕組みを提供している。その家でほかに誰がいるとか、今何をしているといったことも、ひょっとするとそのやり取りから把握できるかもしれない。

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「IoTのセキュリティ脆弱性が監視活動の役に?」の著者

瀧口 範子

瀧口 範子(たきぐち・のりこ)

ジャーナリスト

シリコンバレー在住。テクノロジー、ビジネス、社会、文化、時事問題、建築、デザインなどを幅広く日本のメディアに寄稿。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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