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カラスミを不適切画像とするFacebookのAI

ありがたくもあり、迷惑でもある機能

2016年3月22日(火)

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 先だって一時帰国して、京都のあるおいしい日本料理店で食事をしていたときのこと。若い板前さんがカウンター越しに「Facebookに困っている」という話をしていた。

 板前さんによると、事の次第はこうだ。新鮮な素材を使ってユニークな料理を提供することを信条とする彼は、店で出す「カラスミ(ボラなどの卵巣)」も自分で漬ける。生のカラスミを入手し、それを塩漬けにする。そして自分好みの味になるのを待つ。

 彼は、そんな過程を写真に収め「Facebook」にアップした。こうやってカラスミを作っています、とお客さんたちに伝えたわけだ。常連ならば、早く食べたいと楽しみになるだろう。

Facebookから届いた驚きの警告

 ところが、Facebookから自動メールがやってきたのだ。「すぐさま不適切な画像を削除して下さい。そうしないと、アカウントを数日内に閉鎖します」という内容だ。

 どうもFacebookのAI(人工知能)が「カラスミは見せてはならない対象」として画像認識したようである。AIは恐らくカラスミを男性身体の一部が拡大されたものとして捉えたものと思われる。カラスミが不適切な画像であるとは、全てのカラスミファンにとって失礼な話だが、FacebookのAIは海外からの観光客以上にカラスミの何であるかが理解できないのだ。

 こんなことが起こると、どれほど世界中でユニークな文化が「削除しなさい」と告げられていることだろうかと想像してしまう。日本だけに限っても、タラコ、筋子、ナマコ、貝類などの食材は危ない。あるいは、おおらかな山のようなかたちをした饅頭なども、引っかかってしまうかもしれない。食文化に限らず、イタリアやギリシャの彫刻などはどうなのだろう。

 Facebookは、AIの画像認識機能をますます先鋭化させていて、今ではかなりのことができるようになっているようである。この料理店のような「取り締まり」のケースだけではなく、画像をアップする際に「大丈夫ですか?」と聞いてきたり、「この写真をアップするのはどうでしょう」とお勧めしたりする機能も計画中のようだ。

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「カラスミを不適切画像とするFacebookのAI」の著者

瀧口 範子

瀧口 範子(たきぐち・のりこ)

ジャーナリスト

シリコンバレー在住。テクノロジー、ビジネス、社会、文化、時事問題、建築、デザインなどを幅広く日本のメディアに寄稿。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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