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VRと「コクーン型座席」で一変する映画館

2017年3月27日(月)

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 映画館は間もなく、従来とは全く異なる「体験」を味わう場所に変貌する。2017年3月10日から19日までテキサス州オースティンで開催された「SXSW(サウス・バイ・サウスウェスト)」でそれを実感した。鍵になるのはVR(バーチャルリアリティー)と「コクーン型座席」である。

 SXSWでは、アメリカで2017年夏に公開される映画「The Mummy」の制作風景を体験するというコンテンツを試す機会があった。同作は古代のミイラが現代に生き返るというホラー映画で、その中にある「飛行機の機中で無重力状態が発生する」という場面の撮影風景を、観客がVRで一緒に体験できる。

 会場内に設けられた暗い体験ルームに入ると、そこには20ほどの丸いカバーのついたコクーン(まゆ)型座席が並んでいた(写真1)。コクーンの内側は赤い布張りになっていて(写真2)、そこに座ると何かに周りを囲まれたような気分になる。そしてVRヘッドセットとヘッドホンを装着するとコンテンツの上映が始まった。

写真1●コクーン型座席が並ぶSXSWの体験ブース
[画像のクリックで拡大表示]
写真2●コクーン型座席の内部
[画像のクリックで拡大表示]

 VRは映画にとってかなり期待できるツールだ。「Oculus Rift」が出た直後から、ハリウッドの映画界はVRの可能性を見込んで、映画をVR体験できるような実験を始めていた。筆者も米Facebookの開発者イベントでそうしたVRコンテンツを体験したことがあるが、まるで映画の一場面に居合わせているような感覚があった。映画のスクリーンでは正面しか見られないのに対して、回りを見回して風景がどうなっているのかを確かめることができるのが新鮮だった。

 何よりも面白かったのは、平面でしか知らない俳優の身体が立体的に身近に感じられ、まるで目の前にいるかのような同時性があることだ。誰かスターのファンだという場合には、かなりうれしい体験だろう。

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「VRと「コクーン型座席」で一変する映画館」の著者

瀧口 範子

瀧口 範子(たきぐち・のりこ)

ジャーナリスト

シリコンバレー在住。テクノロジー、ビジネス、社会、文化、時事問題、建築、デザインなどを幅広く日本のメディアに寄稿。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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