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なぜ若者たちは「シリコンバレー脱出」を望むか

2017年4月13日(木)

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 世界から注目されるシリコンバレーは、みんなが来たい場所、みんなが働きたい場所だと思われているだろう。最先端のテクノロジーやホットな企業があり、ほかにはないチャンスが転がっている。若者ならばなおさら、ここにひかれるはずだ。

 ところが最近の調査で、ミレニアル世代(1982~2004年生まれの世代)がシリコンバレーを離れたがっていることが分かった。理由は住みにくさだ。

 この調査はシリコンバレーの民間団体「ベイエリアカウンシル」が2017年1月に、シリコンバレーと周辺地域の住民1000人に対して実施したもの。それによると全体の40%が今後数年の間にこの地域から引っ越したいとしており、その割合は昨年の33%から増えている。

ミレニアル世代の46%が脱出を希望

 しかもミレニアル世代に絞ってみると、この数字は46%にも上ることが分かった。シリコンバレーを見回すと若者がやたらと多く、まさにこのミレニアル世代ばかりが目につくのだが、彼らの半数近くが早くここから出て行きたいと考えているとは意外だ。

 調査では、回答者の55%がこの地域の生活費高騰、41%が交通渋滞、39%が住宅問題を懸念しているとしている(写真)。最大の問題は何かと尋ねると、住宅問題を挙げる人が多かったようだ。トランプ政権を問題だと挙げた人も5%おり、これは移民問題など政策への不安感からだろう。

写真●平日は午後3時から始まるシリコンバレーの帰宅ラッシュ
撮影:中田 敦
[画像のクリックで拡大表示]

 これまでシリコンバレーは40歳以上になると住みにくくなる場所だと言われてきた。上述したように若者が多く、スタートアップ従業員の平均年齢は22歳とされる。言ってみれば、そうした若者がシリコンバレーの原動力であり、若い世代が少なくなると地域の経済力や活力に大きな影響が出ると、ベイエリアカウンシルは懸念している。

 住居や交通問題などの住みにくさは、これから家庭を築こうというミレニアル世代にとっては正面からやってくる障害だ。良い学校がある地域は、住宅や家賃がさらに高く、かなりの勝ち組でなければ十分な広さのある家に家族で住んだり、子供を良い学校に通わせたりできなくなっているのだ。長期的に見れば、今はシリコンバレーがサステイナブル(持続可能的)になれるかどうかの分かれ道にあるかもしれない。

 もう一つ別の調査も、シリコンバレーからの脱出傾向を捉えている。こちらも民間団体の「ジョイント・ベンチャー・シリコンバレー」が行った調査に基づく「2017年シリコンバレー指数」だ。

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「なぜ若者たちは「シリコンバレー脱出」を望むか」の著者

瀧口 範子

瀧口 範子(たきぐち・のりこ)

ジャーナリスト

シリコンバレー在住。テクノロジー、ビジネス、社会、文化、時事問題、建築、デザインなどを幅広く日本のメディアに寄稿。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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