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「疑惑のユニコーン」、司法当局も動き出した

2016年4月25日(月)

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写真1●米パロアルトにあるTheranosの本社
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 現在、そのゆくえが悪い意味で注目されているシリコンバレーのユニコーン(推定企業評価額10億ドル以上のスタートアップ)に、血液検査装置メーカーの米Theranos(セラノス)がある。

 2016年4月18日(米国時間)には、同社の装置の精度や株主への説明に疑惑があるとして、司法当局が調査し始めたという報道もあった。同社のトラブルは、現在のスタートアップへの加熱した投資の落とし穴を感じさせる。

 Theranosは、2003年に創設された会社で、創業者はスタンフォード大学工学部大学院を中退したElizabeth Holmes氏。彼女は「女性版Steve Jobs」とも騒がれていた人物で、たった数滴の血液から安価に血液検査ができる機器を開発したとアピールしていた。

 才色兼備の若い女性創設者、注目のメッドテック(医療+テクノロジー)企業、有名ベンチャーキャピタルからの資金調達、そして大手ドラッグ・ストア・チェーン「Walgreens」との提携など、Theranosには有望スタートアップとしての要素が十分すぎるほどそろっていた。その結果、推定企業評価額は何と90億ドルにも膨らんでいた。

肝心の検査装置の性能に疑惑

 ところが、同社の技術に対して昨年から疑惑が持ち上がった。きっかけとなったのは、元社員による証言だ。同社が提供している血液検査の大部分は、実は既存の検査装置を利用して結果が出されているものだというのだ。Theranosは画期的な発明によって作られた同社の検査装置で200を超える項目が検査できるとしていたのだが、実際にはほんの十数項目しか検査できないという。

 当初、医療機器の認定を行うFDA(食品医薬品局)が調査に乗り出し、Theranosが未承認の設備を利用していたと述べた。それ以降、同社はそれまでアピールしていた検査内容を縮小している。そして現在調査に入っているのは、SEC(証券取引委員会)やカリフォルニア州の連邦地検だ。株主や政府機関に誤った情報を与えたのではないかという、今度は「犯罪」に関わる調査である。

 我々が忘れがちなのは、医療に関する同社のテクノロジーは、一般人にとってはほとんど理解ができないものであることだ。何本もの試験管に血液を採られる通常の血液検査に代わって、指先から採取したほんの数滴の血液で検査ができるのならばかなり画期的だ。その上、まるでインフルエンザの予防接種を受けるような気軽さで、近所のドラッグストアで数十ドルを払うだけで血液検査ができ、自分の健康状態を把握できる――。本当にそれが可能ならば、医療に大きな変化をもたらしたはずだ。

 ところが、同社のテクノロジーが本当にそこまで可能になっているのかどうかは、内部の限られた人間にしか分からないのだ。

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「「疑惑のユニコーン」、司法当局も動き出した」の著者

瀧口 範子

瀧口 範子(たきぐち・のりこ)

ジャーナリスト

シリコンバレー在住。テクノロジー、ビジネス、社会、文化、時事問題、建築、デザインなどを幅広く日本のメディアに寄稿。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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