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VR技術で戦争の悲惨さ伝える

ジャーナリズムでも有効に活用へ

2016年6月29日(水)

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 VR(バーチャルリアリティー)技術は、ゲームや映画などのエンターテインメントで次世代の強力なツールと目されているが、ジャーナリズムでも新しい体験型の報道を可能にするものとして、現在いろいろな実験が行われている。

 筆者は2016年6月15日から17日までウィーンで開催されたジャーナリズム会議「GEN(Global Editors Network)」に参加し、ジャーナリズム関連のいくつかの組織が制作したVRコンテンツを見る機会を得た。それらを体験することで、VR技術には写真やビデオ、そして文字ではなかなか伝えられない「何か」を伝える力があると実感した。

 そのうちの一つが、「SMART News Agency」という通信社が制作した、シリア内戦を伝える「Nobel’s Nightmare」というVRコンテンツだ(写真)。これはロシア軍の空爆で犠牲になっている多くの一般市民を救うために活動する「Syrian White Helmets」という組織を追ったもの。

写真●「SMART News Agency」が制作した「Nobel’s Nightmare」
出典:SMART News Agency
[画像のクリックで拡大表示]

 VRヘッドセットを着けてコンテンツを見ると、空爆で路上の人々が逃げ回る様子や、一面崩壊した石造りの家々の中から人を助け出そうと住民らが必死になっている様子が手に取るように分かる。場所はよくテレビなどで耳にするアレッポという町だが、抽象的でしかなかったその名前が現実感を持って脳に記憶される感じだ。

 同組織は、シリア国内にいる市民レポーター約100人、国外にいるシリア人の編集者約100人が活動して支えている通信社である。ほとんどのコンテンツはVRではない普通のビデオとしてYouTubeに投稿されており、また言語はアラビア語だ。

 しかし、「Nobel’s Nightmare」は、Syrian White Helmetsがノーベル平和賞の候補になったことを受けて、その活動を広めるためにVRで製作し、英語のナレーションを付けたという。Syrian White Helmetsは、もともとは反政府軍として闘った経験を持つ市民のボランティア組織という。

 「Nobel’s Nightmare」もYouTubeに投稿されており、通常のスクリーンでも画面を上下左右にスクロールして見ることができるし、スマートフォンを傾けてパノラマ的に体験できる。だが、VRヘッドセットがあればイマーシブ(没入的)に、現場の雰囲気が感じられるだろう。高価なヘッドセットが手元になければ、「Google Cardboard」のようなものにスマートフォンを挿し込むだけで体験できる。

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「VR技術で戦争の悲惨さ伝える」の著者

瀧口 範子

瀧口 範子(たきぐち・のりこ)

ジャーナリスト

シリコンバレー在住。テクノロジー、ビジネス、社会、文化、時事問題、建築、デザインなどを幅広く日本のメディアに寄稿。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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