Winter Festa2017-2018

サンフランシスコの渋滞の原因はUberやLyft?

  サンフランシスコ市内の交通渋滞が深刻化している。同市交通局によると、市内での車の動きは以前よりも30%遅くなっているという。実際、最近サンフランシスコに出かけると、以前と比べていやに車が多く、1日を通して道路が混んでいると感じる。路上が混んでいて、ノロノロとしか動けなくなっているのだ。

 こうした渋滞の原因とされているのが「Uber」や「Lyft」などの配車サービスだ。交通当局の推定によると、サンフランシスコ市内には4万5000台の配車サービスのドライバーがいるという。先日、サンフランシスコ市内でLyftのドライバーに尋ねたところ、最近は客を取るのがどんどん難しくなっているそうだ。以前に比べて同じ地域を巡回している車が増え、配車の注文が自分のところにやって来ないのだ。サンフランシスコ近郊地域から市内にやって来るドライバーも多い。

写真●「Lyft」の配車サービス
出典:米Lyft
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 利用者の側から見ると、配車サービスのおかげで移動が本当に楽になった。サンフランシスコは都市とは言え、数年前はタクシーを見つけるのが難しかったのだ。日本からやってくる人たちが、それでいつも苦労していた。

 だが、UberやLyftが登場してからは、オンデマンドですぐ車が来るし、このサービスによって、シリコンバレーとサンフランシスコをつなぐ「Caltrain」のような中距離型の公共交通手段の利用者も増えている。市内で多少不便な駅に降り立っても、配車サービスを使えば目的地に難なく到着できるからだ。料金はタクシーよりずっと安い。

タクシー1800台に対して配車サービスは4万5000台

 ところが都市側から見ると、その便利さはひどい渋滞を引き起こしているということである。市内で認可されているタクシーの数は1800台なので、4万5000台はかなりの車の増加を引き起こしているのが分かる。市当局は、現状を正確に把握するためにUberやLyftなどに走行データを提供するように求めているのだが、入手できない。

 実は、データは配車サービスを規制するカリフォルニア公益事業委員会(CPUC)という州政府機関に提出されているものの、競合問題から両社ともデータの公開に抵抗しており、CPUCが秘密保持権を与えたという背景がある。

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著者プロフィール

瀧口 範子

瀧口 範子

ジャーナリスト

シリコンバレー在住。テクノロジー、ビジネス、社会、文化、時事問題、建築、デザインなどを幅広く日本のメディアに寄稿。

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いただいたコメントコメント2件

便利さを求めると、思わぬところで不便さが増すという一例ですね。多くの場合「便利さ」≒「手段の増加」でしょうから、人口の多い都心内アクセスを便利にすると車の数が増えることは必至でしょうからね。
「ほどよい便利さ」これが難しい・・・(2017/07/18 15:08)

かねがねカーシェアが渋滞を減らすとか車の数が減ると言う主張には疑問を感じていましたが、減るどころか車も渋滞もかえって増えてしまったとは、予想の上を行く現実の展開にびっくりです。一般人の営業ドライバー参入が増え、利用側の利便性・経済性も向上して公共交通を使わなくなったり車の利用が増えてしまうと言う結果には、イノベーションで未来を描くときに理想の姿を夢見ても、実際にはそうならない人の習性を見せつけられました。AIやIoTの話でも美しい未来を描きがちですが、立ち止まって未来予想をし直してみるのも良いのかもしれません。(2017/07/18 11:07)

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