• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

Watsonは単なる「質問応答システム」にあらず、CTOが語る全貌

米IBM Watson Solutions Vice President兼CTO、Rob High氏

2015年9月11日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 米IBMの「Watson」は、米国のクイズ番組「Jeopardy!」の勝利で一躍有名になったため、「質問応答システム」と見なされることが多い。しかし商用化から2年が経ち、Watsonの全貌は大きく変わった。改めてWatsonとは何なのか。WatsonのCTO(最高技術責任者)を務めるRob High氏に聞いた。

(聞き手は中田 敦=シリコンバレー支局)

 最近のWatsonは、IBMが2015年3月に買収した「AlchemyAPI」のディープラーニング技術を取り込むなど、当初のイメージからかけ離れてきた(表1)。改めて、Watsonとは何か。

表1●IBM Watsonの歴史
時期種類内容
2009年4月動向IBMが質問応答システム「Watson」を発表。クイズ番組「Jeopardy!」で人間のクイズ王に挑戦する計画を明らかにした
2011年2月動向Watsonの技術をヘルスケア領域に適用することを発表
2011年9月動向Watsonがクイズ番組「Jeopardy!」で人間のクイズ王に勝利
2012年3月利用事例米Citigroupが金融機関として初めてWatsonをビジネス領域に適用すると発表
2012年3月利用事例米国の医療機関Memorial Sloan-Kettering Cancer CenterがWatsonを使用したがん診断支援システムの開発計画を発表
2013年3月製品発表Watsonの技術を使用した顧客対応支援アプリケーション「IBM Watson Engagement Advisor」を発表
2013年11月製品発表Watsonのクラウドサービス「IBM Watson Developers Cloud」を発表
2014年1月動向Watsonのビジネス部門「Watsonグループ」を発足
2014年3月利用事例米国の医療機関New York Genome Centerがゲノム医療の研究にWatsonを使用すると発表
2014年6月利用事例料理雑誌「Bon Appétit」と協力して「Chef Watson」を開発すると発表
2014年8月製品発表Watsonの技術を使用した科学的発見支援アプリケーション「IBM Watson Discovery Advisor」を発表
2014年9月製品発表データ分析クラウドサービス「Watson Analytics」発表
2015年2月動向ソフトバンクと提携して日本でのWatsonサービスの提供を発表
2015年3月買収ディープラーニング(深層学習)技術のベンダー、米AlchemyAPIを買収
2015年4月買収医療データ解析部門「Watson Health」を設立し、健康管理ソフトウエアのベンダーである米Phytelや米Explorysを買収
2015年8月買収医療用画像解析ソフトウエアのベンダー、米Merge Healthcareを買収

 「Cognitive(認知)System」を実現するためのプラットフォームだ。Cognitive Systemとは、以下の四つの条件を満たすシステムと定義している(図1)。

 第一に、Cognitive Systemは自らの行動(behavior)を学習するシステムだ。例えば、人間が大量の条件文をプログラムしなくても、「タコスとサラダの見分け方」を料理のレシピから学び取れなくてはならない。そもそも人間が「タコスとサラダの見分け方」を数学的モデルに従って記述するのは非常に困難だが、Cognitive Systemは大量のデータを分析することで、人間には不可能な「モデル化」を実現する。

 第二に、Cognitive Systemは人間の表現様式、自然言語を使いこなせるシステムだ。ここで言う自然言語には二つの意味がある。一つは人間が読んだり書いたり喋ったりする文章形式の言葉、もう一つは、文章の区切り方や抑揚、ジェスチャーといった、言葉に付随する様々な動きだ。例えば人間は、ある単語を強調して伝えたい時に単語の直前で文章を区切ったりする。Cognitive Systemは、このような人間のあらゆる表現を理解できなければならない。

 第三に、Cognitive Systemは自らが持つ専門知識の確かさを証明できるシステムだ。Cognitive Systemは人間から与えられた質問に対して、直感的に正しい回答や、論理的に正しい回答を生成できなくてはならないし、その回答を正しいと考える根拠を説明できなくてはならない。

図1●「Watson」のアーキテクチャ
Watsonを構成するのは、「Framework API」「Cognitive Services API」「Content Repository and Training API」という3種類のAPI(Application Programming Interface)と、これらのAPIを使用して開発したアプリケーションである
[画像のクリックで拡大表示]

コメント0

「シリコンバレーNext」のバックナンバー

一覧

「Watsonは単なる「質問応答システム」にあらず、CTOが語る全貌」の著者

中田 敦

中田 敦(なかだ・あつし)

シリコンバレー支局

1998年慶應義塾大学商学部卒業、同年日経BP社に入社。ITproや日経コンピュータを経て、2015年5月からパロアルトに開設したシリコンバレー支局を拠点に、シリコンバレーの最新事情を取材中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

ドイツ企業は協調と競争の使い分けに長けている。

ビル・マクダーモット SAP CEO(最高経営責任者)