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高騰が続くサンフランシスコ不動産市場

住人としては不安な日々

2016年9月24日(土)

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 サンフランシスコの不動産市場が、本当に加熱しているようだ。筆者がそれをひしひしと感じるのは、朝の散歩をしている時である。私事で恐縮だが、筆者はサンフランシスコの南にある、小さな市に住んでいる。

 シリコンバレーの地元住人に市の名前を伝えても、「それ、どこ?」と尋ねられるほど小さな、あまり知られていない市で、まともなスーパーマーケットもダウンタウン地域もない不便なところだ。

 あまりに不便なので、高給取りのテクノロジー関係者のアンテナにはひっかからず、住民は大工さんとか機械工といった普通の人々が多い。シリコンバレー地域にありながら、ごく普通のアメリカ流スモールタウンの生活ができるのを、実は喜んでいた。

のんびりした市でも豪邸の建設ラッシュ

 ところが、こののんびりした市の空き地という空き地が今、住宅建設で埋め尽くされているのである。山にへばりつくように作られた街並みなので、ほとんどの住宅は傾斜地に立っている。そんな中にある空き地はこれまで半世紀以上も放置されてきた場所なのだから、とりわけ建設のしにくい土地だった。ところが、そうした難しい空き地にも新たに住宅が建てられているのだ。

 朝、散歩をすると、ここにもあそこにも建設作業員がいるのに驚くばかりだ。しかも、新築の住宅はどれもかなり大きい。建築面積で言えば、従来のこじんまりした地元住宅の2~3倍はあろうかというサイズだ。先だって近所で竣工した家は3200平方フィート(約300平方メートル)もある、いかにもお金持ちが建てそうな邸宅だった。

写真●地価が高騰するサンフランシスコ市内の住宅地
撮影:中田 敦
[画像のクリックで拡大表示]

 サンフランシスコ市内の不動産高騰に伴い、中心部にほど近いこの地味な市にも目を向ける人々が多くなったのだろう。地元住民は、「最近、おしゃれなヨガウエアを着た人々を見かけるようになった」などと話していて、これまでいなかったタイプの住人が増えているのを感じているようだ。

 全米不動産者協会(NAR)によると、2016年第2四半期のサンフランシスコ地域(オークランドなども含むエリア)の中古住宅価格平均は88万5600ドル。2012年のこの数字は54万3780ドルだったので、価格上昇の勢いはやはりすごい。サンフランシスコ市内に限ると、中古住宅の中央値は今夏1200万ドルにもなっている。

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「高騰が続くサンフランシスコ不動産市場」の著者

瀧口 範子

瀧口 範子(たきぐち・のりこ)

ジャーナリスト

シリコンバレー在住。テクノロジー、ビジネス、社会、文化、時事問題、建築、デザインなどを幅広く日本のメディアに寄稿。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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