グーグルやフェイスブックが偽ニュース対策

 「ローマ法王がトランプ候補を推薦へ」。これは、米大統領選挙前に「Facebook」に表示されたガセネタニュースの例だ。選挙前後にはFacebookの「ニュースフィード」やGoogleの検索結果で、とんでもない偽ニュースや、びっくりするような差別的な主張を掲載したサイトが表示されることが多かった。大きな批判を浴びていた両社が、ようやくこうした偽ニュースへの対処に乗り出すという。

 ほかにはこんな偽ニュースもあった。「人気黒人俳優デンゼル・ワシントンがトランプ派に転身、ハリウッドを震撼させる。オバマを公に批判」「オノ・ヨーコ:『私は70年代にヒラリー・クリントンと性的な関係があった』」「ポピュラーボート(米大統領選における総得票数)でもトランプが勝利」(注:トランプ氏は獲得した選挙人の数では勝ったが、総得票数ではクリントン氏が勝利した)。全てガセネタだ。

 特にFacebookに対しては、選挙期間中から偽ニュースを取り締まるべきだという声が高まっていた。さらに選挙後は、Facebookが偽ニュースを放置したことがトランプ勝利を生み出したとして、非難を浴びていた。

 それに対してFacebookのMark Zuckerberg CEO(最高経営責任者)は、「何が真実かは決めがたい」「偽ニュースが投票の唯一の理由だというのは、相手に対する共感が欠けている」などと抽象的な返答で返していた。

偽ニュースサイトから広告を引き上げ

 ところがここへ来て急に、両社共に偽ニュースサイトがデジタル広告で金儲けできないようにする方針を発表している。Facebookは誤解を生む内容や違法なコンテンツを掲載するサイトには広告が表示されないようにし、Googleは偽ニュースを掲載するサイトにGoogleのオンライン広告サービスを使えなくする。

 Facebookは米国で今や、人々がニュースに触れる中心的な場所になっている。それはFacebookが「トレンディングトピックス(話題になっているニュースの紹介欄)」を提供していない日本に住む人々の想像以上だ。

 米国の世論調査期間、Pew Research Centerの調査では、アメリカでは成人の44%がFacebookからニュースを得ているという。これらニュースは、Facebookのユーザーが自身のニュースフィードで共有したり、トレンディングトピックスというコーナーにランクインしたりすることによって、ユーザーの目に付く仕組みだ。

 これまでFacebookは「我々はテクノロジープラットフォーム」だとして、表示される内容に手をつけることを拒んできた。一方、批判側は「Facebookはれっきとしたメディアなのだから、取り締まるべき」と主張していた。

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著者プロフィール

瀧口 範子

瀧口 範子

ジャーナリスト

シリコンバレー在住。テクノロジー、ビジネス、社会、文化、時事問題、建築、デザインなどを幅広く日本のメディアに寄稿。

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