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量子コンピュータ開発が加速、用途は人工知能

2015年12月18日(金)

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 日本で考案された理論を基にする「量子アニーリング方式」の量子コンピュータは、人工知能の開発に欠かせない「機械学習」を高速に処理できる可能性がある。米Googleが「既存コンピュータに比べて1億倍高速」と実証したカナダD-Wave Systemsを追って、日米の研究機関が人工知能用の量子コンピュータの開発を加速させている。

 D-Waveの量子コンピュータ「D-Wave 2X」が「組み合わせ最適化問題」を既存のコンピュータに比べて最大1億倍(10の8乗倍)高速に解ける(関連記事:D-Waveの量子コンピュータは「1億倍高速」、NASAやGoogleが会見)――。Googleそうが発表した直後に当たる2015年12月10、11日、シリコンバレーにある米スタンフォード大学で、D-Waveを追いかける日米の研究機関が量子コンピュータをテーマにしたワークショップ「New-Generation Computers: Quantum Annealing and Coherent Computing」を開催した(写真1)。

写真1●米スタンフォード大学で開催されたワークショップの様子

日米がD-Waveを追いかける構図

 両国政府はそれぞれ数十億円規模の国費を投入して、D-Waveと同様の「組み合わせ最適化問題」を高速に解ける量子コンピュータの研究開発を進めている(図1)。日本の内閣府による「革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)」の中で進められている「量子人工脳を量子ネットワークでつなぐ高度知識社会基盤の実現」プロジェクト(以下、量子人工脳プロジェクト)と、米国の国家情報長官室(Office of the Director of National Intelligence)による「情報先端研究プロジェクト活動(IARPA)」の中で進められている「Quantum Enhanced Optimization(QEO)」プロジェクト(以下、IARPA QEOプロジェクト)がそれに当たる。

図1●量子コンピュータの方式と主な開発組織

 量子コンピュータとは、「量子力学」の原理を応用して演算を行うコンピュータのこと。既存のコンピュータに比べて圧倒的に高速に計算できる「夢のマシン」とされ、1990年代から「量子ゲート方式」と呼ばれる量子コンピュータの開発が世界中で進められてきた。しかし「量子ゲート方式」の実現は、数十年は先のことだと考えられていた。

 ところが2011年にカナダのD-Wave Systemsが、東京工業大学の西森秀稔教授と門脇正史氏が提唱した理論「量子アニーリング」に基づいた「量子アニーリング方式」の量子コンピュータを商用化した(関連記事:驚愕の量子コンピュータ)。2013年5月にはNASAやGoogleが「Quantum Artificial Intelligence Lab(QuAIL、量子人工知能研究所)」を設立してD-Waveの量子コンピュータを導入し、それが「本当に量子力学の原理を応用している」ことや「実際に計算ができること」を実証し始めた。これらが契機となり、量子ゲート方式ではない量子コンピュータの開発が、日本や米国で加速している。

 今回スタンフォード大学で開催されたワークショップには、日本の量子人工脳プロジェクトや米国のIARPA QEOプロジェクトに参加する研究者のほか、GoogleやNASA、南カリフォルニア大学といったD-Waveの量子コンピュータを既に使い始めている組織の研究者が、自らの研究について説明した。

量子コンピュータが人工知能の「切り札」になる可能性

 各研究について見ていく前に、まずはなぜD-Waveの量子コンピュータが注目を浴び、日米政府がD-Waveを追いかけているのかを説明しよう。

 量子アニーリング方式の量子コンピュータが注目されているのは、人工知能の開発に欠かせない「機械学習」や「ディープラーニング」の計算処理の実態である「組み合わせ最適化問題」を高速に解ける可能性があるからだ。

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「量子コンピュータ開発が加速、用途は人工知能」の著者

中田 敦

中田 敦(なかだ・あつし)

シリコンバレー支局

1998年慶應義塾大学商学部卒業、同年日経BP社に入社。ITproや日経コンピュータを経て、2015年5月からパロアルトに開設したシリコンバレー支局を拠点に、シリコンバレーの最新事情を取材中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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