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機械と人間が得意を生かして翻訳を分業

2016年1月5日(火)

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 人類はかつて皆が同じ言語を話していた。しかし人類による「バベルの塔」の建設に怒った神が、人類の言語をバラバラにしてしまった――。そんな「旧約聖書」に描かれたバベルの塔の逸話を、「無かったこと」にしようとたくらむスタートアップが米サンフランシスコにある。会社の名前は米Unbabelという。

 Unbabelという社名には「バベル(Babel)を元に戻す」という意味が込められている。「安価な翻訳サービスを提供することで、神が作ったとされる言語の障壁(バリア)を地球上から無くすことが我々の目標だ」。同社を2013年に創業したVasco Pedro CEO(最高経営責任者、写真1)はそう語る。

写真1●米UnbabelのVasco Pedro CEO(最高経営責任者)
[画像のクリックで拡大表示]

 Unbabelが提供するのは、ソフトウエアによる機械翻訳と人間による翻訳を組み合わせた「クラウドソーシング」型のオンライン翻訳サービス。サービス事業者が正社員として雇用する翻訳者ではなく、世界中に散らばる群衆(Crowd)に翻訳の仕事を依頼するというクラウドソーシング型翻訳サービスは他にも存在する。Unbabelと同業他社が異なるのは、Unbabelが自社開発した機械翻訳ソフトを翻訳者に必ず使用させていることと、同社がわずか1年で機械翻訳ソフトの翻訳精度を急上昇させていることだ。

 「機械翻訳ソフトは高速だが正確さが十分ではなく、人間による翻訳は正確だが時間がかかる上に高価だ。機械翻訳と人間による翻訳を組み合わせることで、機械翻訳よりも正確で、人間だけによる翻訳よりも高速で安価な翻訳サービスを提供できると考えた」(Pedro CEO)。

人間は機械翻訳の校正に専念

 Unbabelでは、ユーザーが翻訳を依頼した文書は数文ずつ細切れにし、複数の翻訳者が一斉に翻訳する。これも翻訳にかかる時間を短縮する工夫の一つだ。翻訳者が使用する機械翻訳ソフトの画面には、元の文章と機械が翻訳した文章とが対になって表示されているので、機械による翻訳結果に間違いがあれば、翻訳者が修正していく(写真2)。

写真2●Unbabelが自社開発した機械翻訳ソフトの画面
[画像のクリックで拡大表示]

 これはスマートフォン用の機械翻訳ソフトの画面だ。英語による元の文章と、それを機械が翻訳したスペイン語の文章が対になって表示されている。機械翻訳の文書に誤りがあった場合、翻訳者が問題の節をタップすると、機械翻訳ソフトは他の翻訳候補を画面下に表示する。翻訳者はその候補の中に正しい翻訳がある場合はそれを選び、無い場合は正しい翻訳を入力していく。つまり機械翻訳の結果を校正するのが人間の主な役割だ。翻訳者による校正結果は「スーパーバイザー」である上級翻訳者がチェックした上でユーザーに納品される。

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「機械と人間が得意を生かして翻訳を分業」の著者

中田 敦

中田 敦(なかだ・あつし)

シリコンバレー支局

1998年慶應義塾大学商学部卒業、同年日経BP社に入社。ITproや日経コンピュータを経て、2015年5月からパロアルトに開設したシリコンバレー支局を拠点に、シリコンバレーの最新事情を取材中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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