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トヨタ「元本保証」株で目論む資本主義のカイゼン

豊田社長が本誌に語った理想とは

2015年6月22日(月)

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 株主からの要求が一段と大きくなり、ROE(自己資本利益率)などが低ければ容赦なく「社長失格」の票が投じられる今年の株主総会。日経ビジネス6月22日号の特集「株主“騒”会」では、株主のプレッシャーを受けてにわかに動き出した企業や、アベノミクスの思惑に乗る投資家の動きをレポートした。

 総会シーズンはこれからピークを迎えるが、序盤戦で最も大きな話題となったのが、6月16日のトヨタ自動車の総会で承認された新型株式の発行を巡る議論だ。実は豊田章男社長は昨年、株主との新たな関係や資本主義のあり方について、本誌のインタビューで語っていた。その発言からは、なぜ新型株式の発行に踏み切ったのかの真意が読み取れる。

 「理想に一番近いのは公益資本主義」。
 1年前、トヨタ自動車の豊田章男社長は本誌のインタビューでこう語った。目先の利益や台数を追うのではなく、あくまで中長期での成長を追求するトヨタの考え方を、どのようにして株主や市場に理解してもらうつもりかを聞いた時のことだ。

1年前、自らが理想とする資本主義の姿を語っていた豊田章男社長(撮影:早川 俊昭)

 「公益資本主義」。これは、株主価値の最大化だけを目指すのではなく、従業員や地域、取引先など幅広いステークホルダーを重視し、雇用や納税を通じて報いるという考え方だ。1935年、トヨタグループの創始者・豊田佐吉の5回目の命日に、グループ全体の指針として「豊田綱領」が発表された。その最初の項目にある「産業報国」の考え方に近い資本主義のあり方と言える。

 そして豊田社長はこう続けた。「株主こそがステークホルダーという原理資本主義の考え方が、米国でも変わってきた。ハーバード・ビジネススクールでも、コンシャス・キャピタリズム(意識の高い資本主義)といった考え方が出てきている。リーマンショック以降、中長期的な目線を持たない限り、短期の結果も出ないということに気が付き始めたのではないか」

 「コンシャス・キャピタリズム」の考え方は公益資本主義の概念とほぼ同じだ。利益の追求よりも高い目的を掲げ、顧客や従業員、投資家、地域など幅広いステークホルダーの繁栄を目指すというもの。米国の食品スーパー、ホールフーズ・マーケットが1つのモデルとなっている。

 昨年5月の決算発表の会見で、豊田社長は「意思ある踊り場」と発言した。やみくもに生産台数を追わない。持続的成長を遂げるために、クルマの開発プロセスや工場の投資効率、エンジニアの働き方など社内のあらゆる活動を見直すという決意表明だった。その中の1つのテーマとして、「株主との関係」もあった。昨年後半から検討が始まった新型株式の発行は、株主との関係、そして資本主義のあり方そのものを「カイゼン」する試みでもある。

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「トヨタ「元本保証」株で目論む資本主義のカイゼン」の著者

熊野 信一郎

熊野 信一郎(くまの・しんいちろう)

日経ビジネス記者

1998年日経BP社入社。日経ビジネス編集部に配属され製造業や流通業などを担当。2007年より日経ビジネス香港支局に異動、アジアや中国に関連する企画を手がける。2011年11月に東京の編集部に戻る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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