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マンションは「管理が命」って言うけれど

01:「わたし、何も分からないんです」

2015年6月29日(月)

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 マンションにお住まいの読者の皆様、こんにちは。
 築十ウン年のマンションに居住する匿名編集者、Yであります。

 以下お届けするのは、私が2013年~15年にわたって経験した、マンション“グランドスラム夢見山(仮称)”の、初の大規模修繕の経緯です。今後ご説明する予定の、とある事情により、マンションの特定につながる名称や数値などは事実と変えていますが、それ以外は自らの経験に基づいて書いていきます。以下でお分かりの通りマンションには素人でありますので、日経BP社の建築雑誌「日経アーキテクチュア」の“マンションの鬼”こと、村田真建設局編集委員の監修を経てお届けします。

 大規模修繕そのものはもちろん、マンション業界の仕組みやそこに関わる人々の仕事の進め方を通して、「これはビジネスパーソンにとってとても勉強になる」と思うことが度々ありました。実用的な知識だけでなく、縁のあった人や出来事についても、出来る限り掘り起こして書いて行ければと思います。しばらくの間、どうぞよろしくご愛読ください。(Y)

「マンションは管理が命」

 あなたも私も一度は聞いたことがある決まり文句だ。だけど、実際に「自分で管理しろ」と言われたら、何をどうすればいいのだろう。管理人さんを労るってことか? 毎朝「おはようございます」と挨拶をしているけれど、それで「命を守れる」とまでは思えない。

 変に絡んだ言い方になってしまったが、要はそれくらい自らのほぼ唯一の資産であるマンションの「管理」について、私は、そしてたぶんあなたも無知なのだ。

 情報の格差があるところに、利益の収奪が生まれる。そう、情報の非対称性、例の“レモン(傷物の中古車)”のお話だ。車についての知識、ノウハウがない買い手は、売り手の嘘を見抜けず、手もなくカモにされてしまうという、経済学の入門書でお決まりのたとえ話。

悪意の有無ではなく、情報の非対称性が然らしめる

 こういう話を聞くと我々はつい、「売り手側に悪意があるかないか」を問題にしてしまうが、そもそも売り手側が圧倒的な有利な状況では、善意の売り手は価格競争に負けて生き残るのが難しい。従ってユーザーはカモにならざるを得ない、というのがあのお話の教訓だ。結末は「そして、良質な中古車を売ると損をするので、みんなが質の悪い中古車を売るようになりました」(「逆選択」と呼ばれる)なのだから。

 クルマでも大変なのに、相手はマンション。私が買った比較的小規模(14階建て、50戸)なものでさえ、新築当時の販売価格で総額は25億円以上しただろう。素材から工法、サッシに水回り、水道、電気、どれもまったく知識がない。修繕を頼んだ業者さんから「ここが劣化しています」と言われれば「そうですか、よろしくお願いします」と言うしかない。「直しました」と言われれば、それが本当かどうかをどう確認していいのかも分からない。

 ユーザーがこういう状態だと言うことが分かれば、修繕する側ははっきりいって「やりたい放題」になる。そんなことも知らないまま、私はのほほんと、完工からちょうど10年を経たこの「グランドスラム夢見山」の、大規模修繕委員に立候補したのだった。いずれネタになるかも…という商売気も、なかったといえばウソになる。

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