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「ハドソン川の奇跡」を生んだ2人の“即断”

2009年、不時着機から155人の命を救ったもの

2016年9月7日(水)

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2009年1月15日、アメリカ・ニューヨークのハドソン川に不時着したUSエアウェイズ1549便と救助を待つ乗客たち(写真:AP/アフロ)

 「2009年1月15日、私はNHKの仙台支局にいて、この映像を見ました」

 NHK-BS『アナザーストーリーズ』プロデューサーの久保健一が振り返る「この映像」とは、アメリカ・ニューヨークのハドソン川に不時着した航空機が映ったものだ。

できる操縦は、2つだけ

 午後3時25分、乗員乗客155人を乗せたUSエアウェイズ1549便は、ニューヨークのラガーディア空港から840キロ先の南部の町シャーロットに向かって飛び立った。約2時間のはずのフライトは、しかし離陸から93秒後、一変する。

 バードストライク。

 鳥が衝突した左翼のエンジンが火を噴いて爆発、同時に全エンジンが出力を消失した。

 この瞬間、高度800メートルに浮かぶ68トンの鉄の塊と化した1549便の機長、チェズレイ・サレンバーガーにできる操縦は2つだけになった。

 方向を変えることと、機首を上げ下げすること。

 シャーロットまでのフライトは望むべくもない。滑空だけで、どこに、どのように機体を下ろすか。

 機長は「ラガーディア空港に引き返す」ことを管制官に告げ、空港は着陸準備に入る。空港まで8キロ。旋回を始めた機長に管制官から13番滑走路への着陸が促される。

 しかし、機長は「できない」と告げ、ハドソン川に向かった。

 空港までの経路の下にはニューヨークの市街地が広がる。滑空だけで滑走路にたどり着けなかったら、壊滅的な事態に陥る。

 機長「ハドソン川に下りる」
 管制官「すまない。もう一度言ってくれ」

 これを最後に交信は途絶え、1549便はハドソン川に不時着。久保が見たのは、川面に浮かぶように横たわる機体の姿だ。

着水を成功させたUSエアウィエズ1549便のチェズレイ・サレンバーガー機長

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「「ハドソン川の奇跡」を生んだ2人の“即断”」の著者

久保 健一

久保 健一(くぼ・けんいち)

NHK プロデューサー

1972年、千葉生まれ。平成9年NHK入局。「プロジェクトX~挑戦者たち~」「プロフェッショナル仕事の流儀」などの制作に携わる。現在、NHKエデュケーショナルにて「アナザーストーリーズ~運命の分岐点~」や「世界入りにくい居酒屋」などを担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

坂巻 正伸

坂巻 正伸(さかまき・まさのぶ)

日経ビジネス副編集長

1991年、日経BP社入社。サービス分野専門誌での記者活動の後、「日経PC21」「日経トレンディ」副編集長、媒体開発、「日経ビジネスアソシエ」編集長を経て現職。「日経ビジネスオンライン」の編集を担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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川野 幸夫 ヤオコー 会長