小山昇氏は1989年に株式会社武蔵野の社長に就任し、赤字続きだった同社を優良企業に育て上げた。その経験をもとに、現在では数多くの企業の経営指導を手掛けており、とりわけ、組織づくりのノウハウには定評がある。その小山社長が考える良い組織とは? 日経トップリーダー「週刊 社長@ボイス」キャスターの内田まさみさんが聞いた。
経営者は、社員とどんなコミュニケーションを取るべきでしょうか。
小山:人間、口は1つですが耳は2つあります。これは、話す倍、聞かなきゃいけないということです。それなのに、多くの経営者は話すばかりで聞かないから、現場が何を求めているかが分からなくて、ずれが出てしまうんです。

社員の20%が一生懸命やれば、会社は成長する
そもそも人は、興味のない話は聞きませんから、こちらが話したいときは、どんなことを聞きたいか、聞く側に決めさせます。質問をさせるんです。
いつも飲み会では、3つの質問を用意させています。その内容は「仕事がうまくいくにはどうしたらいいか」とか「出世するにはどうしたらいいか」とか「女性にもてるには」とか、なんでもいいんです。その人が今悩んでいること、課題にしていることを質問してもらって、私が答えます。その答えは、私自身の基本方針に基づいていますから、聞いた側がそれで成果を出せると、合点がいって、なおさら私に質問してくるようになります。
3つの質問から、社員の本音は聞こえてきますか。
小山:聞こえますね。質問を受けるときは、1対1の時もありますが、たいてい、周りにほかの社員もいます。すると「あいつがああやって聞いたなら、俺はこうやって聞いてみよう」となるものです。ただ、そのときにも自分の本音を隠して質問をする人もいますよ。そのときは「本音を隠して、嘘を言っていますね」と指摘します。
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