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引責辞任した3社長が東芝社内を闊歩

本格的な調査はこれから始まる

2015年8月28日(金)

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東芝本社38階の役員フロアには、引責辞任したはずの役員OBが今も闊歩している(写真:村田和聡)

 8月27日木曜日、東芝特集取材班は刷り上がったばかりの「日経ビジネス」8月31日号を携えて、東京・浜松町の東芝本社を訪れた。

 「東芝 腐食の原点~社員が本誌に決死の告発~」

 表紙を見た東芝の広報・IR担当者は顔をしかめ、3ページ目の「編集長の視点」から始まる東芝の関連記事を丹念に読み始めた。広報担当者はときどき首を傾げ、「うーん」とうなり、前のページに戻り、15分ほどで特集を読み終えた。本を閉じると視線を上げて、こう言った。

 「社内から、いろいろな情報がそちらに寄せられている、ということですね」

 日経ビジネスは東芝が不正会計に走らざるを得なかった理由を探るため、広く情報を求めた。500人近くから情報が集まった。グループ会社や退職したOB・OGを含め、多数の東芝関係者からも話を聞いた。そうした現場から噴出する「悲鳴」を聞くにつれ、東芝の病巣の深さに戦慄さえ覚えたほどだ。

 「くれぐれも社内で犯人探しはしないでほしい」と取材班は念を押し、会議室を後にした。固い空気のままエレベーターホールに進み、下りのボタンを押す。ドアが開き、互いに会釈をして別れた。

エレベーターですれ違ったのは…。

 1階でエレベーターを降りた直後、取材班メンバーの目が一人の人物に釘付けとなった。どこかで見た人物が、エレベーターに乗り込もうとしている。メンバーはその人物が着用していたネームカードを何度も読み返した。カードにはこう記されていた。

 「久保誠」

久保誠氏。2011年6月から財務担当役員を3年間務め、その後監査委員長を今年7月まで務めていた。

 7月21日付で退任したはずの前監査委員長、元財務担当取締役である。

 不正会計の責任を取って辞任してから、すでに1カ月以上が経過しているのに、まだ引継ぎがあるのだろうか。

 広報に真偽を質すと「監査法人によるヒアリングを受けるため、出社していました」という答えが返ってきた。ならば社外の人間として東芝を訪れたことになるが、社外の人間がネームカードを身に着けるのだろうか。

 久保だけではない。9月3日号の「週刊新潮」は、東芝の社用車で「出勤」する前相談役、西田厚聰の写真を掲載している。西田とともに引責辞任した元社長の佐々木則夫、前社長の田中久雄も「出勤」している。

西田厚聰氏。不正な会計処理が始まったとされる時期に社長を務めていた(写真:村田和聡)

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「引責辞任した3社長が東芝社内を闊歩」の著者

大西 康之

大西 康之(おおにし・やすゆき)

ジャーナリスト

日本経済新聞産業部記者、欧州総局(ロンドン)、日経ビジネス編集委員、日本経済新聞産業部次長、産業部編集員などを経てフリーのジャーナリストに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師