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東芝、再生の絶好機逃した室町社長

3カ月の猶予期間を生かせず

2015年9月2日(水)

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 東芝が崖っぷちに立たされている。8月31日、不正会計問題を受けて同日までに延期していた2015年3月期の有価証券報告書の提出ができず、期限を9月7日まで再延期すると発表した。本来は6月末が期限だった。国内外の複数の子会社で、問題がある事案が新たに見つかったためだ。

 次の提出が間に合わなければ、上場廃止基準に抵触することになる。有報を提出できた場合、東京証券取引所が「特設注意市場銘柄」に指定する可能性が高い。この場合、1年以内に内部管理体制確認書を提出し承認されなければ上場廃止となる。

決算発表が三度延長することになれば「進退を考える」と語った東芝の室町正志会長兼社長(写真:的野 弘路)

 「東芝が有報提出延期を開示したのは、8月31日の株式市場が閉まってからだった。だが、経緯をみれば同日朝、開示できたはずだ」と市場関係者は指摘する。

 東芝が連結決算書類、計算書類などを新日本監査法人に提出したのは、8月30日、日曜日のことだった。新たな内部通報などで、複数の国内外の子会社で問題のある会計処理が判明し、数字の確定が8月27日にまでずれ込んだ。

 東芝はギリギリまで新日本や金融庁との折衝を続けた。だが、結局、8月31日の朝に提出が困難であるとの結論に至る。結局、31日は、投資家はその情報を知らされないまま、東芝株を取り引きすることとなった。

 8月31日までに有報を提出し、決算を発表することこそが、室町社長にとっての「必達目標」だった。東芝は第三者委員会が立ち上がった後の5月29日に、有報の提出期限を延長するように申請していた。通常、延長期間は1カ月だが、事業が広範囲にわたる東芝は2カ月を与えられた。その時点で8月末の期限までは3カ月の猶予があった。

 その後東芝は、決算を発表できないまま6月25日に定時株主総会を開いた。そして、9月末に開く臨時株主総会までの“暫定”として、室町社長を含む今の取締役は株主から信任を得た。株主が信任を与えた前提は、8月末までに有報を提出して決算を発表すること。決算が確定しない限り株主に配当が支払えないからだ。1週間の延期とは言え、株主の期待を裏切ったのは事実だ。

 室町社長にとって、内部通報の多さは予想を超えたのかもしれない。だが、もしそうだとすれば、自身も役員として在任した期間にそれだけ社内に問題があったことを見過ごしていたということに、ほかならない。これだけの条件が揃う中で、目標が果たせなかったことによるダメージは極めて大きい。

 だが、ダメージをコントロールするチャンスはあった。31日朝に開示すれば、むしろ社内の膿を出し切ることを優先する姿勢を世間に示すこともできたはずだ。だが、結果は最悪のものとなった。9月1日の東芝の株価は、土壇場での有報提出延期による混乱を嫌気され、前日終値から5.3%下げて363.5円となった(日経平均株価は同3.8%下落)。

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「東芝、再生の絶好機逃した室町社長」の著者

広岡 延隆

広岡 延隆(ひろおか・のぶたか)

日経ビジネス記者

日経コンピュータ編集部、日本経済新聞産業部出向を経て2010年4月から日経ビジネス編集部。現在は自動車など製造業を担当している。これまでIT、電機、音楽・ゲーム、自動車、製薬産業などを取材してきた。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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