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「半導体事業を分離・上場させれば1兆円」、東芝生き残り策

電機業界の著名アナリスト、若林秀樹氏が示す3つの再生シナリオ

2015年9月3日(木)

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 東芝が不正な会計処理に走らざるを得なかったのはなぜか。原因はさまざまあろうが、不採算事業を延命させたことで、東芝全体で稼ぐ力が弱まっていたのは間違いない。日立製作所や三菱電機など競合他社と比べても東芝の営業利益率は低い。

 イメージ悪化により、東芝を取り巻く事業環境は厳しさを増している。そうした逆境の下、不採算事業の縮小や撤退など構造改革は避けられないだろう。東芝が生き残るためには何が必要なのか。電機業界を代表するアナリストで、サークルクロスコーポレーションの若林秀樹社長に聞いた。

 電機関連企業を長年見てきた若林氏は、東芝再生には3つのシナリオがあるという。

(聞き手は宗像誠之)

不正会計問題により、東芝の稼ぐ力が非常に弱まっていることが浮き彫りとなった。不採算事業の整理が必要になると思われるが、生き残りに向け東芝経営陣は何をしていくべきと考えるか。

若林秀樹社長(以下、若林):現時点で考えられる再生シナリオは3つある。

若林秀樹(わかばやし・ひでき)氏
1959年京都府生まれ。東京大学大学院修了。86年野村総合研究所入社。ドレスナークラインオートベンソン証券、JPモルガン証券、みずほ証券などで電機業界のアナリストとして活躍し、日経金融新聞(現日経ヴェリタス)の人気アナリストランキングでは上位の常連だった。2005年に和製ヘッジファンド、フィノウェイブインベストメンツを共同設立、2011年CEO(最高経営責任者)に就任。2014年サークルクロスコーポレーション設立、社長に就任(現職)。著書に「ヘッジファンドの真実」(洋泉社)など多数。

若林:1つ目が、電力と半導体という二本柱の事業を維持するという、現在の事業ポートフォリオを大きく変更しないで再生していくシナリオだ。

 ただ、電力と半導体はあまりにも事業サイクルが異なるため、バランスを取るには第3の柱が必要になる。この三つ目の柱を作ることは東芝の長年の悲願でもあったが成功していない。それどころか、この思いがパソコン事業などでの不正会計の背景になったかもしれない。

 それゆえ、第3の柱は不採算事業であるパソコンやテレビではありえない。また、将来の中核事業として注力しているヘルスケア事業でもないと思う。ヘルスケア事業は独特で半導体とも電力ともシナジーはほとんどないからだ。

 ポイントは、システム事業の色が強くなってきた東芝テックではないか。足元は苦戦しているが、米IBMのPOS(販売時点情報管理)事業を買収したことで、東芝テックの売り上げ規模は5000億円以上あり、本来はそこそこ利益も出ていた。短期的な苦境を乗り越えPOS事業をうまく活用してほしい。

 東芝グループとしてビッグデータ事業へ真剣に取り組むなら、東芝テックを中核にするのが最適で、第三の柱として遜色ない事業になっていくはずだ。これはいわば、かつて1980年代に取り組んだ戦略の再来である。流通分野のビッグデータ活用はもちろん、これらの分析ノウハウは、スマートシティー向けの電力関係でも生かすことができるだろう。

「半導体事業の時価総額は2兆円以上」

第二のシナリオとは。

若林:2つ目は、半導体事業を東芝本体から分社した上で上場を目指すというシナリオだ。半導体分離後の東芝は、電力を中心とした社会インフラ事業が中心の企業となる。日立のように、社会インフラとITはシナジーが見込めるため、同じような路線をたどることになるだろう。

 分社する半導体事業は、もちろんNAND型フラッシュメモリーが事業の中心となる。競争力のある事業に育てた、現在の半導体部門の幹部がそのまま分社後の会社を経営する形になるだろうが、本体から離れて意思決定ができるようになる。戦略の自由度は広がり、決断のスピードも速くなるだろう。

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「「半導体事業を分離・上場させれば1兆円」、東芝生き残り策」の著者

宗像 誠之

宗像 誠之(むなかた・せいじ)

日経ビジネス記者

日経コミュニケーション、日本経済新聞社産業部、日経コンピュータを経て、2013年1月から日経ビジネス記者。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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