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東芝、決算会見で浮かぶ旧体制の呪縛

ウミを出し切る構造改革に踏み込めるか

2015年9月8日(火)

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 「(関係者の)処分は今のところ考えていない」

 ウミを出し切らねばならない局面における企業トップの発言に、会場には白けた空気さえただよった。有価証券報告書の提出を2度も延期せざる得なかった東芝。その2度目の一因となった不適切な会計処理案件について、関係者の処分を問われた会長兼社長の室町正志氏は冒頭のように答えた。

 東芝は9月7日、2015年3月期連結決算が378億円の最終赤字だったと発表した。売上高は6兆6559億円(前年同期比3%増)、営業利益は1704億円(同34%減)。室町氏は「未だ信頼回復には不十分。最大限の努力をしてまいりたい」と、東芝再生への意気込みを語った。だが会見で、構造改革に向けてリーダーシップを発揮していることは示せなかった。

東芝は3カ月遅れてようやく決算を発表した。室町正志会長兼社長は「慎重に対応したい」として2016年3月期の業績見通しを公表しなかった。(写真:陶山 勉)

 同日、東芝は経営刷新委員会がまとめた再発防止策の骨子も発表している。予算作成プロセスをトップダウン型からボトムアップ型に変更して、社内カンパニーの自主的な経営と責任を明確化した。また、不正の発生を未然に防ぐため内部統制機能を強化することなども盛り込んだ。

 形骸化していた経営の監視体制についても見直す。今後、監査委員会や指名委員会、報酬委員会のメンバーはすべて社外取締役で構成する。社内の執行役や事業部長ら約120人が無記名で社長の信任投票を行い、その結果を参考に指名委員会が社長を再任するかどうかを決める。社長が独善に陥らないようにするための仕組みを取り入れた。

 こうした一連の施策は、東芝が「普通の会社」へと再生した後、その状態を継続するためには機能するだろう。だが、不正会計の真の原因に十分に切り込んでいるとは言えない。

 今回、東芝社内では、社会規範を逸脱した経営トップの指示に、部下が従った構図が明らかとなっている。今の段階で最も重要なのは、ウミを出し切って社内文化を変えることだ。「不正を抑止する体制」を整えるだけではイタチごっこが繰り返されるだけ。会社全体に「不正をしない文化」を作り上げなければ、東芝の真の再生はない。

 そのカギとなるのが、社長であることは言うまでもない。だが、東芝の社内で育ち、昇進してきた室町氏が、東芝の社内文化を抜本的に変えられるのだろうか。

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「東芝、決算会見で浮かぶ旧体制の呪縛」の著者

広岡 延隆

広岡 延隆(ひろおか・のぶたか)

日経ビジネス記者

日経コンピュータ編集部、日本経済新聞産業部出向を経て2010年4月から日経ビジネス編集部。現在は自動車など製造業を担当している。これまでIT、電機、音楽・ゲーム、自動車、製薬産業などを取材してきた。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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