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認知症高齢者の靴に「番号」を貼るふじみ野市

地域で進める徘徊対策

2015年9月16日(水)

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老後の不安として、貧困と同じく取りざたされるのが認知症だ。特に徘徊は、事件や事故につながりかねない。自治体も認知症の高齢者の徘徊に対策を打ち始め、地域で認知症の患者を支える仕組みができつつある。

 「名前も住所も答えられない高齢者を保護しているのですが……」。ある介護事業所のスタッフから、埼玉県ふじみ野市役所の高齢福祉課介護支援係にそんな電話がかかってきた。

 担当者は高齢者のいる場所に行き、話を聞いた。しかし高齢者は認知症のようで、身元の分かる話が聞き出せない。だが、ある言葉をきっかけに事態が好転した。

 高齢者が口にしたのは、「5日が給料日」ということと、私鉄沿線の駅の名前だった。そこで担当者はピンと来た。5日が給料日ということは、この高齢者は生活保護を受けているのではないか。そして駅の周辺の自治体の生活保護の担当者に連絡したところ、身元が判明。高齢者は無事に自宅に帰ることができた。

 認知症患者の増加は、貧困と同様に日本社会が抱える課題の1つだ。厚生労働省の調査では、2012年の認知症患者数は462万人に上る。認知症になる可能性がある軽度認知障害(MCI)を含めると、65歳以上の4人に1人が該当する計算だ。2025年には患者数はさらに増え、700万人を超えると予測されている。

 認知症の症状で問題になるのが、徘徊だ。警察庁によると、2014年に行方不明者届を受理した、徘徊症状がある認知症の行方不明者は1万783人。前年よりも461人増えた。

行方不明扱いのまま遠く離れた他県で生活

 冒頭の高齢者のように、行方不明者届が出ていないケースもあるため、この数字は氷山の一角と言えるかもしれない。1人で電車に乗り、遠く離れた他県で保護されて、そのまま施設で何年も暮らしていたという事例も起こっている。

 そこで、ここ数年、徘徊高齢者の「SOSネットワーク」事業に取り組む自治体が出てきている。高齢者に事前に登録してもらい、行方不明になった場合に家族が警察と役所に連絡する。そこから、ネットワークに協力しているコンビニエンスストアや銀行などの民間企業や、交通機関などの事業者に情報が発信され、地域ぐるみで高齢者を探す仕組みだ。事前に登録されていない高齢者についても、役所を通じて事業者に情報が伝わる。

 だが、「1日に5~6人の情報が次々に上がってくる。服装の特徴や写真があったりなかったり、情報量が様々なので、発見に至るのに時間が掛かってしまう」と介護支援係の福田喜美江係長は話す。

 そこで同市では、2015年7月に早期発見につながる簡便なグッズを作った。その名も、「ひとり歩き(徘徊)高齢者早期発見ステッカー」。65歳以上の高齢者を対象に、事前に名前や住所、写真を登録してもらい、「ふじみ野市」と番号が書かれたステッカーを無料で配布している。

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「認知症高齢者の靴に「番号」を貼るふじみ野市」の著者

河野 紀子

河野 紀子(こうの・のりこ)

日経ビジネス記者

日経メディカル、日経ドラッグインフォメーション編集を経て、2014年5月から日経ビジネス記者。流通業界(ドラッグストア、食品、外食など)を中心に取材を行う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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