• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

郵政グループが「親子同時上場」を選んだワケ

矛盾の根源は改正郵政民営化法

2015年9月25日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 日経ビジネス9/21号の特集「日本郵政 矛盾の塊、熱狂なき上場」では、日本郵政グループの民営化を巡る歴史的な経緯と、そこから生まれた様々な矛盾を明らかにしてきた。その中でも何かと問題視されるのが史上初の「親子同時上場」だ。日本郵政と株主である財務省が、この苦肉の策にも見える上場スキームを選んだ背景には、矛盾の根源となっている改正郵政民営化法がある。

 「その時の政権の考え方次第で、民営化の方向性を簡単に変えられるようになっている。良く言えば芸術的、悪く言えば玉虫色の法律だ」。日本郵政の幹部は現在の民営化法についてそう指摘する。

 2005年に小泉純一郎内閣で成立した当初の郵政民営化法は、金融2社(ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険)の株式の完全売却に2017年9月末という期限を設け、これを最大の目的としていた。

民営化法の改正で郵政グループ3社の上場の順番、時期が自由に

 同法では持ち株会社の日本郵政株も3分の1超を残して処分することとなっていたが、期限がないため実質的に後回しとしていた。まず金融2社を完全に切り離すことで日本郵便(当時は郵便事業会社と郵便局会社)へ入る業務委託手数料などのブラックボックスにメスを入れ、非効率な郵便局の経営を改善する狙いがあったからだ。

 しかし、2009年の民主党への政権交代によって改革の流れが中断し、さらに東日本大震災の発生で郵政株の売却自体に新たな意味が生まれた。「官から民へ」という郵政民営化の本来の趣旨に、「復興財源の確保」というもう1つの目的が加わることとなった。

幻の「親会社のみ上場」案

 こうして 2012年に成立した改正郵政民営化法は金融2社の売却期限を撤廃。日本郵政、ゆうちょ銀、かんぽ生命が順番、時期も含めて自由に上場することができるようになった。日本郵政の斎藤次郎社長(当時)が民主党政権末期の2012年10月にまとめた郵政グループの旧上場計画は、親会社の日本郵政だけが2015年秋に上場するというものだ。金融2社株の扱いについては、郵政株の売却が50%程度進んだ段階で民間株主を交えて検討する、として事実上、棚上げにした。

 この計画はその後、自民党の政権返り咲きにより幻となったが、一定の合理性があった。一般的に親子上場は望ましくないとされる。親子で上場した場合、親会社が子会社の経営方針を自らの都合の良いものにするなどして、子会社の株主に不利な状況を作る可能性があるからだ。100%子会社のままなら、例えば業務委託手数料もあくまでグループ内での利益配分の話になるので幾らだろうと問題にはならない。

コメント0

「日本郵政 矛盾の塊、熱狂なき上場」のバックナンバー

一覧

「郵政グループが「親子同時上場」を選んだワケ」の著者

杉原 淳一

杉原 淳一(すぎはら・じゅんいち)

日経ビジネス記者

2005年、日本経済新聞社に入社し、大阪経済部に配属。2009年に東京に異動し、経済部で銀行や農林水産省、財務省、金融庁などを担当。2015年4月から日経ビジネスで金融機関を中心に取材している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

人々が働きたいという会社になるには 「働きやすさ」と「働きがい」、この2つが必要だ。

川野 幸夫 ヤオコー会長