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日本にシリコンバレーが生まれていない6の理由

第1回 シリコンバレーの制度的基盤を検証する

2015年10月26日(月)

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(写真=アフロ)

 米国のイノベーション発信地、シリコンバレーが再び注目を浴びている。日本経済がまだ確実とは言えないまでも、20年近くにおよぶ停滞から抜け出そうとしているいま、持続的な成長のために必要なのは、絶え間のないイノベーションだということがようやく理解されてきたためだろう。

 先般再改訂された「成長戦略」も、アベノミクスは、「デフレ脱却を目指して専ら需要不足の解消に重きを置いてきたステージから、人口減少化における供給制約の軛を乗り越えるための腰を据えた対策を講ずる新たな「第二ステージ」に入った」とし、「未来投資による生産性革命」とそれを地方にも広めていく「ローカルアベノミクス」を推し進めるとしている。「生産性革命」が実際に起こっている場所として、シリコンバレーに注目が集まるのは当然である。

 日本の追い付き型経済成長が終わりに近づき、イノベーションの重要性が認識され始めた1980年代以来、シリコンバレーは繰り返し話題に上り、日本版シリコンバレーの開発といったことも論じられてきた。だが、シリコンバレーのようなイノベーション型の経済システムが日本の一部に定着することはなかった。

 一つの理由は、シリコンバレーで観察される種々の特徴がそもそもどのような制度的基盤に拠っているものなのかということが十分に理解されず、そうした制度的基盤を日本で構築することが可能なのかどうか、可能だとすればどのような政策が有効なのか、といった議論が真剣に行われてこなかったためであろう。

比較制度分析から見たシリコンバレー

 そこで、ここでは、シリコンバレーの制度的基盤とは何なのかということを明らかにして、それらを日本で実現することが可能なのかを考える。本稿は、我々がNIRAの委託で、櫛田健児(スタンフォード大学)、Richard Dasher(スタンフォード大学)、原田信行(筑波大学)の各氏と行った共同研究をもとにしている。詳しい研究成果および参考文献については、Institutional Foundation for Innovation-Based Economic Growth (ダウンロード可能)を参照されたい。

 我々が制度的基盤と言う時の制度とは、故青木昌彦氏が定義したように、「ゲームが繰り返しプレイされる仕方の際立った特徴に関して、共有された予想の自己維持的システム」(Aoki 2001, p.10)である。このように、制度にはゲームのルールだけではなく、プレイヤーの均衡戦略に従った行動およびそうした行動への期待も含まれる。Aoki (2007, p.2)が指摘したように、「このように定式化された制度は本来内生的であるが、個々の行動主体にとっては外生的制約として捉えられる」のである。

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「ポスト高度成長:日本型イノベーション政策の検証」のバックナンバー

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「日本にシリコンバレーが生まれていない6の理由」の著者

星 岳雄

星 岳雄(ほし・たけお)

米スタンフォード大学教授

1983年東京大学教養学部卒。88年、米マサチューセッツ工科大学(MIT)で経済学のPh.D.取得、米カリフォルニア大学教授をへて2012年から現職。専門は金融論、日本経済論。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

岡崎 哲二

岡崎 哲二(おかざき・てつじ)

東京大学大学院経済学研究科教授

1981年東京大学経済学部経済学科卒業、86年、同経済学博士。同年から東京大学社会科学研究所助手、89年から東京大学経済学部助教授。96年、米スタンフォード大学客員研究員。99年から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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