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ヤマトHD社長「日本郵便の優遇措置はおかしい」

全国54紙に出した意見広告で訴えたこと

2016年1月8日(金)

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 「いい競争で、いいサービスを。」――。

 宅配業界首位のヤマト運輸は2015年11月12日、こう訴えた意見広告を全国54紙に掲載した。業界3位の日本郵便が国から受けている優遇措置が、公平公正な競争環境を阻害するという内容のものだ。

 意見広告と同時に特設サイトを開設(「いい競争で、いいサービスを。」)。一般利用者からの意見を募り、12月15日時点で2000件以上の声を集めた。

 宅配各社は取り扱う荷物の数こそ増加基調にあるが、人手不足によるコスト高の影響などで、利益を生み出しづらい状況が続いている。こうした環境の中で、意見広告を出した真意とは。ヤマト運輸を傘下に持つヤマトホールディングス(ヤマトHD)の山内雅喜社長がその思いを語った。

(聞き手は日野なおみ)

2015年12月下旬、日経ビジネスの単独インタビューに答えるヤマトホールディングスの山内雅喜社長(写真:竹井 俊晴)

ヤマト運輸では2015年、「いい競争で、いいサービスを。」という意見広告を掲載しました。ライバルの日本郵便が国から受けている優遇措置などを挙げ、イコールフッティング(公平公正な条件)の競争環境が重要であると説明しています。

2015年11月、全国54紙に掲載されたヤマト運輸の意見広告

山内社長(以下、山内):我々は常にお客様にとって便利な世の中を模索しています。便利なサービスをどんどん生み出し、ご利用いただいて日本経済が発展していく。これを支えていきたいと思っています。そんな思いがある中で、お客様にとってより便利なサービスが生まれる環境を疎外するものがあれば、やはりより良い形にすべく提言していくべきであろうと思っています。

 メール便の廃止を決定した時にも説明したように(詳細は「ヤマト社長『メール便廃止』の真意を語る」)、お客様が使いたいと思うサービスを選べる世の中になっていかないといけません。それが実現する世の中にしていきたいと思って意見広告を出しました。

現在は良いサービスが生まれる環境にはない、ということでしょうか。

山内:日本では郵便事業はユニバーサルサービスとされています。このユニバーサルサービスは国民生活に不可欠なものですから、これを支えるための優遇措置もあってしかるべきだと思います。ただ問題は、優遇措置を受ける領域がどこまでなのかということです。

 現在、郵便事業というユニバーサルサービスは、いろいろな制度や優遇措置によって、国民の税金でまかなわれている状態です。そういうものは必要最小限であるべきだし、「民」でできるものは「民」が手がけることで、より良いサービスが生まれる。必要不可欠な部分だけを国が支えるのが理想でしょう。

意見広告では、ユニバーサルサービスである郵便事業と、荷物を運ぶ宅配事業の境界が曖昧なことが問題だとしています。

山内:繰り返しますが、ユニバーサルサービスは必要です。ただ一方で、ユニバーサルサービスは手紙などの「信書」の送達に限られるべきだとも思っています。荷物を運ぶ宅配事業は、既に民間企業がたくさん参入していて、企業同士が競い合って工夫を重ね、よい良いサービスがどんどん生まれています。各社は知恵を絞り、リーズナブルな料金で便利なサービスを実現している。それを加速させるには、ユニバーサルサービスと、そうでないものを明確に分けなくてはなりません。

 それなのに、今はユニバーサルサービスの領域が、「信書」という言い方で非常に曖昧になっています。解消するには、ユニバーサルサービスの領域がより明確になることでしょう。ユニバーサルサービスとそうでないものの領域を明確に区分する。これが大事だと思っています。

ユニバーサルサービスとそうでないものの領域が不明瞭、とは具体的にどういうことでしょうか。

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「ヤマトHD社長「日本郵便の優遇措置はおかしい」」の著者

日野 なおみ

日野 なおみ(ひの・なおみ)

日経ビジネスクロスメディア編集長

月刊誌「日経トレンディ」を経て、2011年から「日経ビジネス」記者。航空・運輸業界や小売業界などを担当。2017年4月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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