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川崎重工、空自向け新型輸送機の民間転用を断念

「型式証明」取得に苦戦するMRJが落とした影

2017年1月19日(木)

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 川崎重工業が防衛省向けに開発した新型輸送機「C2」の民間転用(スピンオフ)を事実上断念したことが「日経ビジネス」の取材で分かった。民間貨物機市場の開拓による量産効果を狙っていたが、商用化に必要な「型式証明」などを新たに取得するには莫大なコストが発生する恐れがあると判断した。型式証明の取得をめぐっては、三菱航空機の国産ジェット旅客機「MRJ」でも苦戦しており、事業化が大幅に遅れている。

川崎重工が開発した航空自衛隊向けの新型輸送機「C2」

 C2輸送機は航空自衛隊の「C1」輸送機の後継機として、防衛省と川崎重工が2001年から開発を進めてきた。機体を大型化することで搭載量をC1の4倍弱の約30トンに増大、速度や航続距離も向上したのが特長だ。装甲車やトラック、建設機械、ヘリコプターなどを運搬でき、島しょ部での有事や国連平和維持活動(PKO)の際、部隊の迅速展開に用いる。

 開発には2600億円強をかけ、2016年6月に量産初号機を空自に納入。C1以来、43年ぶりの国産輸送機として注目を集めた。ただ、開発途上で機体の強度不足などに対応した結果、当初予定より約5年遅れての納入となった。調達価格も1機当たり約200億円と、2009年度の想定であった約150億円を大幅に上回っている。

現行の輸送機「C1」も物資輸送や空挺団降下など幅広く活用されてきた(写真:航空自衛隊提供)

量産効果発揮へ民間貨物機への転用を模索

 最終的には防衛省が30機程度を調達する見通し。ただ、これだけの開発費を投入した以上、なるべく販路を広げて生産機数を増やそうとするのは当然の発想で、民間転用という視点は早くから浮上していた。

 2010年に川崎重工がまとめたリポートでは、C2をベースに一部改修すれば民間貨物機への転用が可能と指摘していた。双発エンジンで整備が容易なことなど、競合機体に比べた優位性もうたっていた。輸送品目としてはコンテナ貨物やトレーラー、航空機エンジンなどが想定され、特殊大型貨物機というジャンルでは2026年までに世界で約230機(ロシアや中国などを除く)という市場が見込めるとしていた。

 民間機市場に食い込むことができれば、防衛省向けよりも大きな生産ロットを期待でき、効率化はもちろん、全国約300社の主要サプライヤーの経営基盤強化などにつながるはずだった。防衛省も条件付きで容認する姿勢を示していた。

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「川崎重工、空自向け新型輸送機の民間転用を断念」の著者

寺井 伸太郎

寺井 伸太郎(てらい・しんたろう)

日経ビジネス記者

2002年、慶応義塾大学を卒業し、日本経済新聞社に入社。東京や名古屋での企業担当などを経て、直近は決算を取材する証券部。15年から現職

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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