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英メイ首相、トランプ大統領に“売り込み”成功

サッチャー・レーガン時代の再現なるか

2017年1月30日(月)

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初の首脳会談に臨んだ米トランプ大統領と英メイ首相。「特別な関係」を繰り返し強調した(写真:ロイター/アフロ)

 テリーザ・メイ英首相にとっては、限りなく満点に近い会談だったのではないだろうか。

 米国時間の1月27日、メイ首相はホワイトハウスでドナルド・トランプ大統領との会談に臨んだ。トランプ大統領にとっては、メイ首相が20日の就任後初めて会談する外国首脳。その外交手腕に、世界が注目した。

 メイ首相にとっても、今回の英米会談は重要な意味を持っていた。EU(欧州連合)との離脱交渉を控える英国にとっては、米国との関係をできるだけ深めることが、EUとの交渉を有利に進める上でも大切になる。訪米前から、メイ首相は米国との「ユニークで特別な関係」を繰り返し強調していた。

 もっとも、トランプ大統領周辺は、会談直前まで揺れていた。会談の前日の26日、トランプ大統領は、メキシコとの国境に壁を建設する大統領令に署名。これにメキシコのペニャニエト大統領が反発し、予定していた会談の中止を発表するなど、ピリピリしたムードが続いていた。

 「米国第一」を掲げるトランプ大統領にとっては、英国との関係構築を急ぐ優先度は低い。英国では当初、会談は形式的なものに終わる可能性も危惧されていた。

 しかし、蓋を開けてみれば、英米首脳会談は、そんな不安を払拭するような内容だった。少なくともメイ首相にとっては、今回の会談で望んでいた2つの約束をトランプ大統領から取り付けることができた。

 一つは、米国との2国間貿易協定の協議だ。メイ首相は、EU離脱後、EU単一市場からの完全離脱を表明している。これを受けて、英国に拠点を置くグローバル企業の脱英国の動きが広がるなど、英国経済の先行きに不透明感が漂っている。

 そんな中で、米国との貿易協定は、離脱後の英国経済の「成長ストーリー」を見せる格好の材料となる。果たして、トランプ大統領もメイ首相の呼びかけに応じ、2国間の貿易協定に向け協議することを約束した。

 もう一つの狙いは、米欧の安保協力の枠組みであるNATO(北大西洋条約機構)へのコミットを継続させることにあった。トランプ大統領は、米国がNATOの予算の7割を負担している実情に不満を持っており、同盟国が負担金を増やさなければ、駐留米軍撤退も辞さないと繰り返してきた。

 しかし、英国を始めとして欧州各国にとって、NATOの存続には米国の関わりが不可欠だ。メイ首相は、「より公平な負担に向けて欧州各国に働きかける」と約束し、米国に引き続きNATOにコミットすることを要請した。

 これについても、トランプ大統領はメイ首相に応じ、「100%NATO側につく」と約束したと言う。

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「英メイ首相、トランプ大統領に“売り込み”成功」の著者

蛯谷敏

蛯谷敏(えびたに・さとし)

日経ビジネス記者

日経コミュニケーション編集を経て、2006年から日経ビジネス記者。2012年9月から2014年3月まで日経ビジネスDigital編集長。2014年4月よりロンドン支局長。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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