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政治事情に左右される財政健全化論議

首相官邸の本音は成長重視、ささやかれる新目標の着地点

2018年2月1日(木)

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1月23日、経済財政諮問会議に臨む安倍首相(写真:共同通信)

政府は2020年度の財政健全化目標に代わる新たな目標や計画づくりに着手した。内閣府は国と地方の基礎的財政収支(PB)の黒字化が昨夏の想定より2年遅れの27年度になると試算。歳出抑制でどれだけ黒字化時期を前倒しできるかが焦点となるが、首相官邸は今後の政治・経済日程をにらみ財政出動の自由度を確保したい考え。政権内で落としどころを探る動きがこれから本格化する。

 安倍晋三首相が消費増税の使い道の変更を打ち出して衆院の解散・総選挙に踏み切り、大勝を収めてから早くも3カ月が経過した。企業業績は過去最高水準で、雇用や内閣支持率はいずれも堅調に推移している。

 このまま金融緩和路線を継続して円安・株高を持続させ、アベノミクスの成果や中国との関係改善などをアピールして今年9月の自民党総裁選で3選を果たす。安倍首相と周辺はそんなシナリオを思い描いている。

長期金利上昇で金融市場に揺らぎ

 バブルの空気さえ漂う経済状況に政権幹部のほおも緩みがちだったが、このところ、米長期金利の急上昇をきっかけに日米で株安が進行するなど金融市場の揺らぎが顕在化している。

 市場の目を意識する安倍首相にしてみれば、様々なリスク要因への対応が問われる局面を迎えていると言える。その柱の1つに位置づけられるのが財政再建への取り組みだ。

 安倍政権は国と地方の基礎的財政収支(PB)を2020年度に黒字化する財政健全化の目標を掲げていた。PBは社会保障費などの政策に必要な経費を借金に依存せず、その年の税収でどのくらい賄えるかを示すもの。財政健全化の進ちょく度合いを表す指標だ。

 だが、高い成長率を前提にしていたうえ、2019年10月に予定される消費増税の使い道の変更を打ち出したことから、目標達成を断念していた。

 2025年には団塊の世代すべてが後期高齢者になり、医療や介護など社会保障費の急増が見込まれる。市場の信認を維持するためにも財政健全化への道筋を示す必要があり、政府は今年夏にPB黒字化の達成時期とその裏付けとなる計画を策定することにしている。

 そのための議論の土台となる中長期の財政試算を内閣府がまとめ、1月23日の経済財政諮問会議に提示した。

 試算はやや楽観的な「成長実現」と、慎重な「ベースライン」の2つのケースを想定している。

コメント11件コメント/レビュー

消費税増税と緊縮財政により財政健全化(そもそも財政健全化の定義が不明だが)から遠ざかった経験を日本は2度している。
その間に、日本人の実質賃金は落込み、可処分所得は減少し・・・要するに国民が貧困化することで、財政健全化が遠のくというジレンマに陥っている事実を認めることから始めたらどうだろうか。
(財政の原資はGDPであり、その内訳の多くを消費支出が占めている)
財務省の目標が「増収」ではなく「増税」になっていることえを指摘しないことや、「財政健全化」の目的を忘れた議論には価値はない。
一方で、企業の内部留保や労働分配率の低下に対して批判を行うぐらいであれば、財政健全化(笑)の為にも、法人税増税でも訴えていただいた方が余程健全である。
そちらの政治事情に突っ込みを入れないことも甚だ問題であろう。(2018/02/05 10:10)

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「政治事情に左右される財政健全化論議」の著者

安藤 毅

安藤 毅(あんどう・たけし)

日経ビジネス編集委員

日本経済新聞社で経済部、政治部などを経て2010年4月から日経ビジネス記者。2012年4月から現職。政治、経済政策を中心に執筆している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

消費税増税と緊縮財政により財政健全化(そもそも財政健全化の定義が不明だが)から遠ざかった経験を日本は2度している。
その間に、日本人の実質賃金は落込み、可処分所得は減少し・・・要するに国民が貧困化することで、財政健全化が遠のくというジレンマに陥っている事実を認めることから始めたらどうだろうか。
(財政の原資はGDPであり、その内訳の多くを消費支出が占めている)
財務省の目標が「増収」ではなく「増税」になっていることえを指摘しないことや、「財政健全化」の目的を忘れた議論には価値はない。
一方で、企業の内部留保や労働分配率の低下に対して批判を行うぐらいであれば、財政健全化(笑)の為にも、法人税増税でも訴えていただいた方が余程健全である。
そちらの政治事情に突っ込みを入れないことも甚だ問題であろう。(2018/02/05 10:10)

第一に、経常収支が黒字で自国通貨建てで国債発行してる国が財政破綻することはない。
第二に日本政府は負債も大きいが資産も多く、バランスシートを見ればGDP比での負債(国債発行額)は大したことがない(少なくとも200%超というのは嘘)。
第三に、国債を購入している日銀は政府の子会社であり、購入された国債は負債に分類されるが、代わりに発行する円は利息を払う必要もないし、償却期限もないものである。
以上3点から、日本の財政が悪い、という前提が成り立たないので、そもそも「健全化」する必要などない。(2018/02/05 01:00)

日本の歴代政権は借金頼りの予算を組み続け、『財政再建は経済発展してから』と言い訳をしてきた。そこそこの経済成長は1980年代の5%前後の成長を最後に、90年代以降はプラスとマイナスを行ったり来たり程度の『ゼロ成長』が続いている。その間、税収の2倍近い予算編成を継続しているのだから『野放図』も程度が酷い。日本国債の引き受けに関しては、既にメガバンクも見切り初めており、日銀が代わって買い支えている。日銀は新規発行分は購入出来ないので、市場に出回っている国債を『買いまくって』、今や発行済国債残高の40%超を保有しており、数字は上がり続けている。政府は、国債の日銀保有が何%になったら、『まずい!』と思うのだろうか?40%でも世界の常識的には十分にまずいと思うのだが。。日本は既に人口が減少し始め、少子化も益々加速している。私には三人の子供がいるが、子持ちは一人だけで、彼等の生活を見比べていると、『子育て』が如何に大きな負担かよく分かる。子供が幼児の内は、『可愛い』程度で済んだが、小学校に通いだす頃から生活費は一気に増加するが、共稼ぎの両親の収入の伸びは生活費の伸びに全く足りない。今は、牛肉を鶏肉に代え、食パンは1番やすいブランドに替え、衣服は実家に置いてあった自分たちが着たものを引っ張り出して済ませる事が増えている。中学生までは扶養控除の対象ですらない現状を考えると、子供を持ちたがらない最近の風潮は理解出来る。現に、子供を持たない別の娘夫婦は、結婚以来毎年海外旅行を欠かさず、毎月どこかに美味しいものを食べに行っては写真をフェースブックにアップしている。彼等は結婚の時から「子供は作らない」と決めていた様だ。自分の子供たちの生活を見比べるだけでも、日本の未来が見える。低成長で収入が増えないのに子供は育つ。国だけでなく、子持ち家庭も奨学金その他の借金に頼らざるを得ないが、返済のメドさえ立たない生活が待ち受ける。これが現実で、『未来』に希望が持てない。(2018/02/01 17:21)

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