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国を挙げて大論争!「トランプ氏の入国禁止」

署名で議会が動く多民族国家=英国の真骨頂

2016年2月3日(水)

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(写真:ロイター/アフロ)

 いよいよ、米大統領選に向けた候補者指名争いが本格化した。2月1日、共和党、民主党の両党はアイオワ州で党員集会を実施。その結果に全世界が注目した。特に、ここ英国では、共和党の候補として名乗りを上げている不動産王ドナルド・トランプ氏の言動に、これまでも多くの人が関心を寄せてきた。

 1月18日、英下院で行われた異例の審議は3時間に及んだ。議題は、トランプ氏の英国への入国禁止の是非である。英下院を突き動かしたのは、トランプ氏の英国入国禁止を求める署名運動だった。これまでに、60万人近くがサインしている。

 発端は去年12月、米カリフォルニア州で起きたIS(自称イスラム国)信望者による銃乱射事件を受け、トランプ氏がイスラム教徒の米国への入国を禁止すべきだとの声明を発表したことだ。これに続いたメディアとのインタビューで、トランプ氏がイスラム教徒の「脅威」についてロンドンを例に挙げ、「(イスラム教徒たちが)極端に過激化し、警察でさえ恐れる地域がある」と言及。これが英国に住む多くの人たちをさらに怒らせた。

 まだ大統領候補にすらなっていない一富豪の発言に、英国のキャメロン首相も反応した。トランプ氏の入国禁止には反対の立場を示したものの、「(トランプ氏の発言は)分断的でばかげており、間違っている」「イギリスに来るなら、私たちは一致団結して彼に対抗するだろう」と述べた。また、ロンドン市長のボリス・ジョンソン氏も、トランプ氏が「ありえない無知」をさらしたと非難。渡英してくるなら「ロンドン観光に連れて行ってもいいが、一般市民が偶然トランプ氏に出くわしてしまう不要なリスクも避けなければ」とも皮肉った。

英議員が徹底議論した「トランプ入国拒否」の賛否

 議会審議での、主な発言は次の通りだ。

【入国禁止賛成派】

 野党・労働党議員「トランプ氏は国境1000マイル以内に近づけてはならない。国内の極右を勢いづかせる一方、テロの火種に油を注ぐだろう。ドナルド・トランプは馬鹿者だ。バカでいる自由はある。我々の国では、危険なバカでいる自由はない。」

 別の労働党議員「彼の言葉は有毒だ」「トランプ氏の使う言葉で、ヘイトクライムが煽られている」

【入国禁止反対派】

 与党・保守党議員「この男は気が違っていると思うし、言っている事に一理もないが、私が彼の言葉を奪うことはできない」

 別の保守党議員「この(トランプ氏の入国禁止を求める)動議は英国を不寛容で全体主義的に見せるもので、恥ずべきものだ。米国の人たちに謝罪すべきとさえ考える。トランプ氏の見解について、決めるのは彼らであり、私たちではない。」

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「国を挙げて大論争!「トランプ氏の入国禁止」」の著者

伏見 香名子

伏見 香名子(ふしみ・かなこ)

フリーテレビディレクター(ロンドン在住)

フリーテレビディレクター(ロンドン在住)。東京出身、旧西ベルリン育ち。英国放送協会(BBC)東京支局プロデューサー、テレビ東京・ロンドン支局ディレクター兼レポーターなどを経て、2013年からフリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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