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マイナス金利、「第3波」襲来の予兆

日経平均918円安が示すマネー萎縮

2016年2月10日(水)

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 日銀のマイナス金利導入政策を受け、金融市場の動揺が止まらない。

 9日は為替市場で円相場が一時1ドル=114円台まで円高方向に振れ、長期金利(指標となる10年物国債利回り)は初めてマイナス圏に突入。一方、日経平均株価は前日比918円86銭(5.4%)安の1万6085円44銭で取引を終えた。資金をリスク性の高い株式から引き揚げ、比較的安全とされる円、日本国債に退避する投資家が相次いでいるためだ。マイナス金利の仕組みと影響について「Q&A形式」で解説する。

写真:AP/アフロ

Q:そもそも長期金利がマイナスになるとは

A:日銀は1月29日、金融機関が日銀に預ける当座預金の一部に0.10%のマイナス金利を付与する政策を決めた。黒田東彦総裁は「必要であればさらにマイナス金利を引き下げる」と繰り返し述べており、株安・円高でマイナス金利拡大の思惑が広がった。

 本来、債券は投資家が利息を受け取る金融商品だ。現在、10年物国債の表面利率は0.3%。投資家は年0.3%の利息を10年間受け取り、10年後の償還期日まで保有していれば額面の100円が手元に戻ってくる。

 しかし、9日は10年物国債の利回りがマイナス0.010%を付けた時点で価格は103円5銭7厘に上昇した。債券価格と利回りはシーソーの関係で、「利回りの低下(上昇)=債券価格の上昇(下落)」となる。債券の買い手が多ければ利回りも低下する。計算上、投資家は償還日の2025年12月20日まで持ち続け、その間の利息収入を足し合わせても、損失が出ることになる。

Q:損失が出るのに、なぜ債券を買うのか

A:日銀は既に国債の買い入れ枠を段階的に増やしてきた。現在、80兆円規模だが、早ければ3月にも100兆円規模に増やすとの観測がくすぶる。「日銀が買い手に回ってくれるなら、一段と債券価格は上昇(利回りは低下)するだろう」との思惑から、国債を買い進める投資家が増えている。

Q:日銀は「景気浮揚策のウルトラC」としてマイナス金利の導入に踏み切ったのでは

A:当初、金融市場では日経平均株価が一時1万8000円台目前まで回復するなど、「第1波」は歓迎ムードだった。しかし、足元の世界経済は日本の政策や景気よりも海外の要因を受けやすい。中国経済は失速し、米国は昨年末に利上げに転じた。

 「第1波」は、わずか2日で消え去り、続く「第2波」は国内の好材料より海外の不安要因が意識され、投資家が一斉にリスク性資産から資金を引き揚げる動きとなった。国債は日銀の買い入れ枠を後ろ盾に安全資産とみなされ、円も買い進まれた。

Q:今後のリスク要因は

A:元日興証券国際市場分析部長で現在、経済情報サービス、ブーケ・ド・フルーレット代表の馬渕治好氏は、金融市場から実体経済に広がる「第3波」への警戒を呼び掛けている。

 馬渕氏が懸念するのは、「金融の縮小均衡」だ。金融機関は国債などを買い進める一方、市場の利ざやが下がり続ければ収益を圧迫しかねない。そうなれば貸し出しに弾みを付けるどころか、「貸し渋り」「貸しはがし」に動く可能性があるという見立てだ。

 日銀は中堅・中小企業などへの貸し出し増加を期待してマイナス金利政策に踏み切ったが、金融機関から見ると「引当金を積み増してまで危ないところにお金は貸せない」というのが本音だろう。

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「マイナス金利、「第3波」襲来の予兆」の著者

清水 崇史

清水 崇史(しみず・たかし)

日経ビジネス記者

98年早稲田大学大学院修了、通信社を経て日本経済新聞社に入社。証券部で機械・プラント、海運・空運などを中心に取材。2013年4月から日経BP社に出向。総合商社、金融マーケットを担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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