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会社からメールを消そうとするLINEの緻密な戦略

「LINE WORKS」はなぜ働き方改革に資するのか

2017年2月13日(月)

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 「個人のコミュニケーションがチャットやトークに収斂していったように、企業や業務におけるメールも自然淘汰されていくだろう。少なくとも当社(LINE)の社内でメールが消えるのは、時間の問題」

 そう語るのはLINEの出澤剛社長。LINEは今、企業内や顧客とのコミュニケーションに欠かせないツールとなっている「電子メール」を、「ビジネス版LINE」によって企業から退場させようと目論んでいる。

「LINE WORKS」の画面。見た目や使い勝手は一般向けの「LINE」そのもの

 LINEは2月上旬から、同じ韓国ネイバーを親会社とする兄弟会社、ワークスモバイルジャパン(東京・渋谷)のサービスを改良する形で、新たに「LINE WORKS」の提供を開始している。

 会社で業務で使える、もう一つのLINE。一般向けLINEと同様、スマートフォン上のアプリでメッセージやスタンプのやり取りができるほか、音声通話やビデオ通話も利用できる。社内アドレス帳やスケジュール管理、ファイル共有、会議室予約などの機能も統合されており、新手のグループウェア、とも言える。

 最大の特徴は、LINE WORKSのアプリから、国内の月間利用者数が約6600万人もいるLINEのアカウントともつながることができること。例えば自動車ディーラーの営業マン、保険の外交員などが、社内に加え、顧客とのやり取りにも活用できる。

 しかし、発表内容だけでは今ひとつインパクトが伝わって来ない。それこそビジネス向けチャットツールは巷にあふれている。

企業で幅を利かせる電子メール

 古くはエンタープライズ向けSNS(交流サイト)として登場し、米マイクロソフトが買収した「Yammer(ヤマー、2008年9月~)」があり、中小企業を中心に世界約10万社が利用する「ChatWork(チャットワーク、2011年3月~)」や、エンジニアやクリエイター職に人気がある「Slack(スラック、2013年8月~)」も有名だ。

 そうした先達が日本の企業文化に馴染んだ、とは言えない状況にある。また、先達のツールは無料プランでも十分に使えるが、LINE WORKSは有料プラン(従業員1ユーザー当たり300円から)のみ。無料でも普及しないビジネスチャットを、有料のみで展開というのはやや強引に映る。

 確かにLINE WORKSは、LINEアカウントとの接続や、メッセージを相手が読んだかどうかを投稿者が確認できる「既読機能」など、先達にない特徴を備えるが、それだけで企業が飛びつくとも考えられない。むしろ消費者は「プライベートのアカウントで営業マンとつながりたくない」と思うかもしれないし、従業員も「上司にいちいち既読をチェックされるのは御免だ」と嫌がるかもしれない。

 それでも、LINEが新領域に参入したのはなぜなのか。勝算はあるのか。LINEの出澤社長と、ワークスモバイルジャパンの松橋博人社長に取材をすると、「働き方改革」への思い、それを後押しする緻密な戦略が見えてきた。

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「会社からメールを消そうとするLINEの緻密な戦略」の著者

井上理

井上理(いのうえ・おさむ)

日経ビジネス記者

1999年慶応義塾大学総合政策学部卒業、日経BPに入社。以来、ネット革命などIT業界やゲーム業界の動向を中心に取材。日本経済新聞への出向を経て2014年4月より日経ビジネスの電機・ITグループ

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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佐々木 眞一 日本科学技術連盟理事長、トヨタ自動車顧問・技監