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原油、悲観シナリオなら20ドル台前半も

2016年2月13日(土)

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世界経済の重しとなっている原油価格の低迷。米WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエイト)は、12年9カ月ぶりに1バレル26ドル台まで下がった。これ以上の下げは、資源国の債務危機やエネルギー会社の信用不安を経て、景気をさらに押し下げかねない。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの芥田知至・主任研究員と、石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の野神隆之・主席研究員に原油市場の見通しを聞いた。

いったん落ち着くかに見えた原油価格(WTI)が再び1バレル26ドル台に落ちてきました。なぜ、再び下げているのでしょう。

芥田知至(あくた ともみち)氏
三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部 主任研究員。山一証券経済研究所を経て、1998年2月、三和総合研究所(現三菱UFJリサーチ&コンサルティング)入社。調査部で内外経済・商品市況等を担当している。

芥田:1月下旬に少し上げたのは、OPEC(石油輸出国機構)が、協調減産に踏み切るのではとの期待が一瞬、広がったことが影響していると思います。だけど、やはりそれは無理だという現実が分かり、下げてきたということでしょう。

野神:個人などの消費段階では、石油は需要期だが、それを生産する原油の精製段階ではもう不需要期に入っている。当然、精油所の需要は落ち、価格は緩むことになる。

 協調減産についても2月7日に、サウジアラビアとベネズエラの石油大臣が会談し、市場では「これは」と言われたが、結局何も出てこなかった。やはり何もできないのが現実なのでしょうね。

米シェールオイルは減産が始まった

米国景気に減速感が出てきて、中国経済にも懸念が広がっています。需要が伸びない一方で、供給は減らないことも大きいのでは。

野神:確かにIMF(国際通貨基金)の予測でも2016、2017年の世界経済の成長率は3%台半ばになり、減速し始めています。これに伴ってIEA(国際エネルギー機関)の原油需要見通しも今年は、前年比で10万バレル減少としています。

 一方でイランは、核開発疑惑に対する欧米の経済制裁が1月に解除されて以来、増産の意向を明らかにしてきました。しかし、結局、これまで長い間生産を減らしてきたために、油井のメンテナンスや、原油取引についての取引条件などの再交渉といった“手続き”が多く、簡単には増やせない。

 米国もシェールオイルの生産増で2012年から2014年にかけて、毎年100万バレルの増産をしてきましたが、昨年3月をピークに減り始めています。原油価格の下落で生産を継続できない業者が出てきたことなどによるものです。

そうなると、今後は原油市場の需給は引き締まるのでしょうか。

芥田:確かに米国のシェールオイルの生産は減少している。私は昨年春以降、100万バレル程度の減産になっていると見ています。

野神:ただし、サウジやイラクは2015年に前年比で、それぞれ60万バレル、80万~100万バレルも増産しており、そのレベルを落としていません。ということで、全体としては強く需給が引き締まるというわけではないでしょう。

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「原油、悲観シナリオなら20ドル台前半も」の著者

田村 賢司

田村 賢司(たむら・けんじ)

日経ビジネス主任編集委員

日経レストラン、日経ビジネス、日経ベンチャー、日経ネットトレーディングなどの編集部を経て2002年から日経ビジネス編集委員。税・財政、年金、企業財務、企業会計、マクロ経済などが専門分野。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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