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日米共同声明から透けて見える舞台裏

トランプ時代の「為替」「自動車」「二国間協定」の行方

2017年2月15日(水)

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 これまでのトランプ大統領の発言で、事前に心配されていた自動車問題と為替問題。いずれも日米首脳会談では批判、言及がなかったと関係者は胸をなでおろしている。また日米FTAなど二国間協定についても話はなかった、と説明されている。安倍総理の帰国後の説明もそうであった。

 しかしそれが事実であっても、それを額面どおり受け取って、安心してはいけない。むしろ日米があらかじめ合意して、「話を明示的に持ち出さなくてもいいようにしておいた」というのが正確なところではないだろうか。そのため共同声明の作成は、首脳会談直前までもつれこんだという。

 筆者のかつての経験から、共同声明の行間から舞台裏を読み解いてみたい。

為替問題

 長年、財務省は伝統的に「為替問題は通貨マフィアだけで、金融政策は金融マフィアだけで議論する」という暗黙のルールを頑なに守ってきた。これまでの数々の日米間の経済対話の場でも、これらの問題を扱うことは断固として反対してきた。首脳といえども勝手な発言は許さない。そのためには日米双方のマフィア同士がタッグを組むこともしばしばあった。

 今回もまさにそうであった。財務長官、次官などが未だ就任せず(ムニューチン米財務長官は首脳会談後の13日に承認)、米側の体制が整わない中で、トランプ大統領の不規則発言に振り回されないよう、どうマネージしていくか。それは米国財務当局も共有する思いだ。

 今回は「為替問題は日米財務省同士でハンドリングする」という共通の目標に向けて、日米財務当局の共同作戦が奏功したと言える。おそらくトランプ大統領も「今後、日本にはこの場を使って言っていく」と政権内で説明を受けて、首脳会談本番では言及しないことを了承したのだろう。

 ただし、ここまでは日米当局間の共同歩調でも、問題は今後、米国財務省の新体制が為替政策でどういうスタンスを取るかだ。単に、「為替問題が首脳会談で出なかった」と安どしているわけにはいかない。為替を巡る日米間の綱引きの本番はこれからだ。

 なお、金融政策そのものの扱いも今後注目だ。今は経済対話の中でマクロ政策の一環として議論されるように見えているが、これも今後、切り離されて経済対話の対象外にしようとするだろう。かつての日米間の経済対話においても、金融政策そのものの本丸は「触るべからず」であった。

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「日米共同声明から透けて見える舞台裏」の著者

細川 昌彦

細川 昌彦(ほそかわ・まさひこ)

中部大学特任教授(元・経済産業省米州課長)

1955年1月生まれ。77年東京大学法学部卒業、通商産業省入省。「東京国際映画祭」の企画立案、山形県警出向、貿易局安全保障貿易管理課長などを経て98年通商政策局米州課長。日米の通商交渉を最前線で担当した。2002年ハーバード・ビジネス・スクールAMP修了。2003年中部経済産業局長として「グレーター・ナゴヤ」構想を提唱。2004年日本貿易振興機構ニューヨーク・センター所長。2006年経済産業省退職。現在は中部大学で教鞭をとる傍ら、自治体や企業のアドバイザーを務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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