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離陸前夜のクルマ向け「未来のディスプレー」

シャープ、3Mなど参加、業種を超えたエコシステムが始動

2017年2月20日(月)

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今後市場の拡大が期待される車載向けディスプレー。中でも注目されているのが「曲がるディスプレー」だ。奈良のベンチャー企業が中心となり、今秋に本格的な異業種連携が動き出す見通しで、普及に向けて大きな弾みとなりそうだ。

 車載向けディスプレーの市場が急拡大している。かつてはカーナビゲーション部分が主力だったが、既にエアコンやオーディオの動作表示などにも広がっており、今後はさらに多くの情報がディスプレーで表示されるようになる。なかでも、自動車メーカー各社が注目するのが、車載向けの「曲がるディスプレー」だ。デザイン性や利便性の向上などのために今後欠かせない商材と見られているが、技術的な課題も多くまだ普及に至っていない。

 そんな曲面形状ディスプレーの普及に向けて、日本企業が中心となり業種を超えた企業間連携を進めようとする動きが起きている。旗振り役となっているのは、曲面ディスプレーの貼りあわせ技術に強みを持つFUK(奈良県御所市)。現在、シャープや材料メーカーの積水化学工業、米3M、双葉電子工業などと実用化に向けた開発に取り組んでおり、今秋にもより大きな動きになる見通しだ。

エコシステム形成でメーカーに提案

 FUKの森健・市場開発部長によると、「5~6年前から欧州の自動車メーカーを中心に曲面加工できるディスプレーの需要が増えている」という。車載向けは、スマートフォン(スマホ)やテレビ向け以上に耐久性や信頼性が求められるが、曲面加工の車載向けディスプレーでは、プロセス技術、素材ともに確立されたものがまだない。一部のメーカーが自動車メーカーに提案している製品があるものの、自動車メーカーからは「デザイン、機能の自由度が限定的」と不満の声が漏れる。

 「日本には、機械や素材、パネル加工などの分野で、“曲面加工”を実現するための技術がたくさんある。海外材料メーカーなども巻き込んだエコシステムを形成し、自動車メーカーに幅広く提案できる体制にしたい」。森部長は業種を超えた企業間の連携を進める背景をこう説明する。各社の技術や知見を持ち寄って開発を進めていき、材料の仕様選定、サンプル作成、環境試験などを経て、9月以降、自動車メーカーや「ティア1」と呼ばれる総合部品メーカーに提案していく考えだ。

現在、FUK、シャープ、米3M、タイカ、テサテープ、バンドー化学、積水化学工業、英FlexEnable、藤光樹脂、双葉電子工業、長瀬産業などが、連携している。写真はFlexEnableが開発する曲面の液晶ディスプレー。

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「離陸前夜のクルマ向け「未来のディスプレー」」の著者

齊藤 美保

齊藤 美保(さいとう・みほ)

日経ビジネス記者

2011年中央大学法学部卒業。同年、日本経済新聞社に入社。産業部にて電機、IT、自動車業界を担当した後に、2014年3月から日経ビジネス編集部に出向。精密業界を中心に製造業全般を担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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