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経済制裁解除、イラン市場のチャンスは本物か

日本も経済制裁解除、投資協定に署名

2016年2月23日(火)

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イランのテヘラン市。中央はイラン最高層のミラッド・タワー

 ポテンシャルの高い新興国の中で今、イランに注目が集まっている。イランの日本の制裁解除、投資協定の署名に続き、イラン進出を計画する日本企業が注目すべきは、2月26日に実施される専門家会議(Majles-e Khobregan、英語表記Assembly of Experts)と国会(Majles 、英語表記Parliament)の選挙だ。専門家会議は、最高指導者(Vali-e faghih-e iran、英語表記Supreme Leader)の選出・罷免の権限を有することで極めて重要である。

 イランでは、大統領は行政府の長に過ぎず、国家元首に相当するのが「最高指導者」となる。最高指導者には任期の定めはないものの、現最高指導者であるセイエド・アリー・ハメネイ師(1989年6月就任)は39年生まれで今年77歳である。そして、同時に行われる国会選挙は、現政権ハッサン・ローハニ大統領が今後も改革路線を継続できるかどうかの鍵を握る。

7800万人をターゲットに動き出した日本企業

 現在の保守的な国会議員構成が変わらなければ、政局運営に支障をきたす恐れがある。イランの核開発関連の制裁解除に向けた包括的共同行動計画の合意内容についてイランが履行したことを、国際原子力機関(IAEA)が確認したことを受けて、日本政府もイランに対する経済制裁を解除、今夏の発効を目指したイランとの投資協定が署名された。こうして、日本企業も7800万人のイラン消費市場参入に向けて動き出す。

 この様子に、2011年に民政移管後、その翌年から投資ブームが沸き立ったアジアの「ラストフロンティア」として注目されたミャンマーを思い起こされる方も多いだろう。アジア最後のフロンティア市場としてミャンマーが注目された2011年に遡って比較すると、1人当たりGDP(国内総生産)でイランはミャンマーの9倍、そして人口は1.5倍、経済規模でみると13.5倍のインパクトがある。

 2012年、欧州のイラン原油輸入停止や、米国によるイラン自動車関連企業との取引制裁などといった経済制裁強化を経て、昨年のイランの1人当たりGDPは5400ドルまで減少した。制裁解除を受け、イラン政府は、年率8%成長とする第6次5カ年計画(2016年3月~21年3月)を策定中である。イランの1人当たりGDPが制裁強化前の2011年の1人当たりGDP7200ドルの水準に戻るまでに、さほど多くの時間を必要とはしないだろう。

 イランと日本は友好的な歴史を維持してきたにもかかわらず、ほとんどの日本企業にとっては、1979年のイラン革命以来37年間、没交渉という状況だ。日本企業にあるイランに対する先入観と実態のギャップは極めて大きく、残念ながらそのことがイラン市場参入への動きを鈍くしている。現地市場をまず理解していただきたいと願う。

インフラビジネスで日本の免震技術に優位性

 イランは日本企業にとって強みを生かせる市場である。まずは、インフラビジネス。長い経済制裁の間に老朽化が進み、更新需要のあるインフラは大きなビジネス機会だ。

 国際協力銀行(JBIC)と日本貿易保険(NEXI)は、イラン政府保証をもとに合計100億ドル(1.2兆円)の融資・保険供与枠を設定する方向となった。金融が脆弱なイランにおいて競争力ある金融はインフラビジネス受注を決める重要な要素である。日本企業にとって力強い後押しになる。

 実はイランは、1980年以降の大型地震発生件数が世界で3番目に多い地震大国であり、地震による被害者数も多い。日本企業には、トルコなど地震国において高い評価を得ている免震技術がある。イランのインフラビジネスにおいても日本の高度技術を求められる可能性は高い。

大型地震による被害(1980年~2015年)
出所:EM-DAT Database

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「経済制裁解除、イラン市場のチャンスは本物か」の著者

野村 修一

野村 修一(のむら・しゅういち)

デロイト トーマツ コンサルティング

新興国進出・撤退・買収・提携案件に多数携わり、新興国政府機関とも緊密な関係を構築。著書に『最後の市場 アフリカ - ビジネスチャンスとリスクはどこにあるのか』 (日本実業出版社)など。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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